「せどり」「転売」という言葉をよく見聞きするが、そもそも違いは何なのか気になることはないですか?
言葉のイメージを考えると、「せどり」より「転売」の方が何となく評判が悪いように思えます。
X(旧Twitter)で「せどり」を検索してみると、次のような投稿が出てきました。
「メルカリ今すぐやめてください」 不登校の14歳の息子に”せどり”をおしえたら、担任の先生が「在庫かかえて自己破産になったら大変です」 とまさかの忠告。そんなことはムシして息子がトレファクで仕入れた16,280円のCOACHのリュックが2日で売れた。利益はなんと pic.twitter.com/46jLViDtSv
— ペット総合研究所 (@pet_institute) January 26, 2024
【見慣れたブランドの見慣れないモデルは高い】
中級者向けですが前のファンタスティックマンと思考は同じで、よく知ってるブランドで見慣れないカタチは反応すべし。これはデータ0だけどリブがイケてると思ってチャレンジ。利益は9248円!#せどり #アパレルせどり #ほぼいち pic.twitter.com/41YKEuSWUY
— ゆーき@東京 (@tamy44892014) January 26, 2024
実際に利益になる商品を仕入れて利益が出たというポジティブな投稿が多く、さほど悪いイメージはありません。
一方、Xで「転売」と検索してみると、
https://twitter.com/JtexwZ/status/1749794376111509620
https://twitter.com/tsukinokokyuu/status/1748350609924014540
このような、人気限定商品に買い占めて、不当な高額転売をする悪質な行為が上がってきます。
そのため、
と疑問に持つ人も少なくありません。
そこで今回は、副業で物販に取り組んでいる人が、1度は疑問に思うせどりと転売の違いについてお伝えします。
また、物販に取り組むうえで、転売ヤーと揶揄されないための注意ポイントも詳しく解説します。
せどりに興味はあるけど、転売ヤーと揶揄されたくない方は、最後までご覧ください。
目次
【結論】基本的にせどりと転売の違いはない
結論から言うと、「せどり」と「転売」の意味は大きな違いはありません。
物販ビジネスに取り組むうえで、「せどり」と「転売」は同じ意味と考えていいでしょう。
せどりも転売も「安く仕入れて高く売る」という意味は同じ
「せどり」も「転売」も、「安く仕入れて高く売る」という意味は変わりません。
国語辞典(小学館:デジタル大辞泉)で調べると、せどりの意味は次の通りです。
【競取り】
同業者の中間に立って品物を取り次ぎ、その手数料を取ること。また、それを業とする人。
【背取り】
古書業界で、転売を目的として同業者や愛好家から古書を買い取ること。特に、掘り出し物を見つけて高く転売すること。
そして、転売の意味は次の通りです。
【転売】
買い取った物を、さらに他に売り渡すこと。またうり。
例:「土地を転売して差額をもうける」
国語辞典で調べても、ほぼ同じ意味です。
諸説ありますが、せどりは、上記のようにもともと古書の転売から生まれた言葉で、本の背表紙を見て値打ちのある本を転売する「背取り」が語源と言われています。
しかし、現在は古書以外の転売でも「せどり」という言葉は一般的に使われているため、ほぼ「せどり=転売」と考えて問題ありません。
- 「せどらー」と「転売ヤー」
- 「メルカリせどり」と「メルカリ転売」
- 「amazonせどり」と「amazon転売」
- 「ゲームせどり」と「ゲーム転売」
- 「中古せどり」と「中古転売」
いずれも、ほとんど同じ意味で使われているのが現状です。
せどり・転売自体は違法ではないが法律に注意する
せどり、転売ともに違法性はありません。
冒頭でお伝えしたとおり、「せどり」より「転売」の方が悪い意味で使われることが多い印象ですが、実質的にはせどりも転売も同じ意味です。
せどりや転売を違法としたら、多くの販売代理店、小売店は商売は成り立たなくなります。
物販だけでなく、不動産業も成り立ちません。
今後も、せどりや転売自体が違法になる可能性はほとんどないでしょう。
しかし、せどりや転売には、次のように気を付けないといけない法律があるので注意しましょう。
チケット不正転売禁止法違反 | アーティストのライブやスポーツ観戦のチケット転売の禁止。 |
著作権法違反 | 偽物の販売禁止。デジタルコンテンツのコピー品の販売。 |
商標法違反 | 偽物の販売禁止、商標登録されている商品を無断で転売することの禁止。 |
薬機法違反 | 医薬品の転売。輸入品の化粧品、健康食品の転売。 |
酒税法違反 | 無免許でお酒を転売する。 |
古物営業法違反 | 古物商許可証なく中古せどりをする。 |
盗品関与罪 | 盗品の転売。 |
詳細は、以下の記事をご覧ください。
せどりも転売も古物商許可証の取得は必要
せどりも転売も、ほぼ同じ意味であるため、中古品(古物)を仕入れた場合は古物商許可証の取得は必要です。
古物商許可証とは、簡単にいうと中古品(古物)を販売するときに必要な許可証のことで、一度でも消費者の手に渡った商品を転売する際に必要です。
古物営業法上は、未使用・未開封のほぼ新品であっても、一瞬でも消費者の手に渡れば中古品(古物)という扱いになります。
つまり、メルカリやヤフオク、リサイクルショップから仕入れた商品は、未使用・未開封であっても中古品という扱いになります。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
せどりも転売も規制する店舗が増えている
最近は、ネットショップ、実店舗ともに「購入は1人2個まで」など転売目的の仕入れを規制する店舗が増えています。
明確に転売目的の仕入れを禁止している店舗も少なくありません。
【ノジマの場合】
※ノジマオンラインより抜粋
【ディズニーの場合】
上図では、「転売目的の仕入れを禁止します」という表現ですが、せどりも転売も同じような行為です。
という理屈は通りません。
高額転売できそうな商品ほどせどり・転売行為は規制されているので、大きな利益を出すことが難しくなっているのが現状です。
残念ながらせどりも転売も大多数は儲からない
残念ながら、ここ数年、せどらー・転売ヤーで稼いでいる人は多くありません。
中田敦彦のYouTube大学などで紹介されたこともあり、せどりは在宅副業として注目され、しかも簡単に取り組めるので、ライバルが急増しています。
ライバルが急増すれば同じ商品を販売する出品者が増えるので、ライバルに埋もれやすくなります。
差別化するには価格を下げるしかありません。
そのため、実店舗やネットショップで仕入れた商品は全体的に価格競争が起きやすくなっています。
売れそうな人気商品ほど、ライバルが増える傾向にあるため、「儲かりそうな商品ほど儲からない」という現象が起きています。
赤字で商品を売り切らないといけなくなったり、不良在庫を抱えたりすることになるリスクが大きくなっています。
無理な大量仕入れをしてしまうと、不良在庫で爆死して大損するケースも少なくありません。
後述するように、不当な大量な買い占めによる高額転売は爆死事例は多いので注意しましょう。
真っ当なせどりをして転売ヤーと揶揄されないための2つの注意点
せどりも転売も、モラルに反した行為をすれば批判の対象になりますし、規約に反した行為であれば二度と仕入れができなくなります。
また、amazonやメルカリなどの規約を守らなければアカウントが停止されてしまいます。
真っ当なせどりをして転売ヤーと揶揄されないための注意点をお伝えします。
※興味のある方は以下の記事もご覧ください。転売ヤーは、消費者が適正価格で買えなくなるばかりでなく、店舗側も大迷惑であることがわかります。
仕入れ先のルールを守って仕入れをする
せどりや転売を行う場合は、仕入れ先のルールを守って仕入れをしましょう。
先ほどお伝えした通り、せどりも転売も違法ではありませんし、商売の基本となるシステムです。
問題になっているのは、人気の限定商品を買い占めて、不当な高額転売をする行為です。
【話題】大阪門真にコストコがオープン
↓
あまりにも大盛況すぎて、客が限定商品のクッパを奪い合う事態に
↓
大阪にいながら本場アメリカの空気を味わえると話題に pic.twitter.com/TnysDL5kYY— 滝沢ガレソ (@tkzwgrs) August 26, 2023
ちょうど、上記のX(旧Twitter)の投稿のような光景ですね。
これを見て、本当に商品を欲しがっている人が適正な価格で購入できなくなるのは問題です。
多くの実店舗やネットショップでは、このような事態を重く見て、転売目的の仕入れを禁止するなど、転売対策を徹底しています。
「お1人様2つまで」と購入制限を設けているところも少なくありません。
特にキャラクターグッズなど、転売ヤーの格好のターゲットとされている商品の99%は転売対策が施されています。
せどりや転売自体は問題ではないですが、問題は意に介さず規約を破ってまで高額転売する行為です。
死ね転売ヤー pic.twitter.com/EfMg0IG6MK
— かいのー (@kfumiy238) January 26, 2024
転売ヤーと揶揄されないためには、まずは仕入れ先の規約を守って仕入れをして、適正な販売を行うことです。
でも、仕入れ先の転売規制を守って仕入れ個数を抑えていれば、大きな利益にはなりません。
という人もいるでしょう。
しかし、不当な買い占めがあった後に、転売ヤー対策で再販されてしまい、転売ヤーが爆死するケースが相次いでいます。
モラルに反した行為は、消費者から強く批判されるだけでなく、大量の不良在庫という形で自分に返ってきてしまうので、十分気を付けましょう。
法律や販路の規約や法律を守ってお客様の不利益になることを避ける
ややきれいごとになりますが、商売の基本は、仕入れ先やお客様など、関わる人に不利益を与えないことです。
そのため、法律や販路の規約を守って、健全な物販ビジネスを心がけましょう。
法律を守らなければ、当然ですが逮捕の可能性もあります。
※NHKニュースより抜粋
また、規約を守らなければ、転売ヤーと揶揄されるどころかamazonやメルカリのアカウントが停止されてしまいます。
例えば、amazonのコンディションガイドラインに記載のあるように、以下のような商品は出品しないようにしましょう。
- 明らかに機能に問題がある商品。
- かび、激しい変色、腐食などの形跡がある清潔ではない商品。
- 使用に支障があるような破損が見られる商品。
- 使用に不可欠な付属品や部品が不足している商品。ただし、説明書はなくてもかまいません。
- 修理やメンテナンスが必要な商品。
- オリジナルのメーカーや著作権所有者によって製造されたものではない商品。これには、複製品、偽造品、レプリカ、模造品が含まれます。
- プロモーション用の見本、プロモーション用のセット品、商品サンプル、または新刊見本として配布された商品。これには、既刊または未刊本の校正前原稿も含まれます。
- 書き込みやステッカー、その他の損傷などにより商品の一部が見づらいか、読めない商品。
- 賞味/消費期限(「販売期限」を含む)を過ぎた商品。有効保管期間の残り日数が不足している商品。賞味/消費期限が消されているか、改ざんされている商品。
- 廃棄または処分される予定の商品、またはメーカー、仕入先、ベンダー、小売業者によって販売不可と指定された商品。
- amazonでの販売が禁止されている商品。
※amazonコンディションガイドラインより抜粋
つまり、偽物やコピー品、不良品、部品に欠品のある商品、賞味/消費期限を過ぎた商品などです。
この点は、メルカリやヤフオクでも同様で、このような商品を誤って販売することのないように、十分気を付けましょう。
https://twitter.com/takasugi5353/status/1523247046404153344
特に欧米や中国から転売目的で輸入した商品の場合は、偽物や不良品を仕入れてしまうリスクが大きくなります。
また、amazonの場合は、実質的にせどりや転売目的で仕入れた商品は「新品」として出品できない点も注意してください。
- 個人(個人事業主を除く)から仕入れられた商品。
- メーカー保証がある場合、購入者がメーカーの正規販売代理店から販売された商品と同等の保証(保証期間など)を得られない商品(たとえば、メーカー保証がある場合に、すでにメーカーが定める保証期間が始まっている、または保証期限が切れている商品など)。
- プロモーション品、プライズ品、おまけに関しては、出品自体は許可されていますが、「新品」としては出品できません。出品する場合は、コンディションガイドラインに沿って中古品として該当するコンディションで出品してください。
- Amazon.co.jp限定商品としてAmazonによって販売されている商品(Amazonが特別に承認している場合を除く)。
※amazonコンディションガイドラインより抜粋
保証期間など、新品と同等の保証が得られないということは、正真正銘の正規仕入れでなければ、amazon上では新品と認められないということです。
実店舗やネットショップの仕入れでは、すでに保証期間が始まってしまっているので、中古として扱わないといけないということになります。
もう1つ、お客様に不利益を与えやすいのが無在庫転売です。
無在庫転売は、お客様の注文があってから仕入れ・発送を行う手法なので、不良在庫リスクを抱えることがありません。
商品が売れなくて損失を被ることがありませんし、資金繰りも改善されます。
そのため、一部で人気の手法なのですが、商品の発送遅延、商品の状態確認など検品の時間が十分取れないデメリットがあります。
お客様は、すぐに品質の良い商品を発送してほしいと思っているので、無在庫転売はクレームが発生しやすいです。
そのため、メルカリ、ヤフオクなど多くの販路では禁止されている手法で、amazonやeBayでも厳しい制約があります。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
社会的に信用のある健全な物販をしたいならメーカー仕入れがおすすめ
転売ヤーと揶揄されることなく、社会的に信用のある健全な物販をしたいなら、せどりでも転売でもなく、amazonメーカー仕入れという物販ビジネスがおすすめです。
メーカー仕入れとは、せどりのように小売店から転売目的で商品を仕入れる手法ではなく、メーカーから直接商品を仕入れる手法です。
買い取った物を、さらに他に売り渡すというせどりや転売の手法とは大きく違う点がポイントです。
正規の仕入れなので、メーカー保証が効いた品質の高い新品を販売します。
そのため、以下のようなメリットがあり、転売ヤーと揶揄されることもなければ、お客様のクレームやamazonアカウント閉鎖リスクもほとんどありません。
- 小売店で不当に商品を買い占めるようなモラルに反した行為がない
- 転売規制とは無縁
- メーカーと取引すれば商品を安定的に仕入れることができる
- 古物商許可証が不要
- amazonに出品する際は新品として出品できるので信用力が高い
また、出品者を限定化して、価格競争を防ぐことができるので、販売価格を維持できます。
自分は安定的に利益を積み上げることができますし、メーカーからはブランド価値を維持しながら販路拡大してもらえるので感謝されます。
つまり、自分にとってもお客様にとってもメーカーにとっても三方良しの方法です。
メーカー仕入れを実践した人の声は、以下の記事をご覧ください。
社会的にイメージの良い健全な方法なので堂々と家族や友人にも誇れますし、安定的に稼ぐことができます。
転売ヤーのような、誰かが不利益になるような行為は、必ずどこかで歪みが出てきてしまうものです。
メーカー仕入れの具体的なノウハウに興味のある方は、次の記事をご覧ください。
最後に
「せどり」と「転売」の違いについてお伝えしましたが、基本的には大きな違いはありません。
しかし、社会的なイメージについては「せどり」より「転売」の方が悪い印象にあります。
転売ヤーと揶揄されないように、健全な物販ビジネスを行いましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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