中国輸入ビジネスを経験した方を中心に、OEM販売に興味を持つ方がここ数年増えてきています。
しかし、よく聞いてみると、ほとんどの方は中国輸入商品の簡易OEM販売をイメージしており、国内OEM販売について知っている方はほとんどいません。
実際にネットでOEMについて検索すると、出てくる情報も大半は中国輸入ビジネスの延長上のものが多いです。
たしかに、中国輸入商品の簡易OEMは取り組みやすく、国内OEMよりは敷居が低いところがありますが、その分ライバルが非常に多い状態です。
それでいて、オリジナリティや品質が低い商品が散見され、しかもどれも似たようなOEM商品を販売するセラーが増えてしまって結果的に売れない、というケースが多発しています。
逆に、国内OEMは少し敷居が高いところがあり、ネットで検索しても情報がほとんどありません。
しかし、国内OEMは独自の技術力を活かした品質の高い商品が多く、中国輸入のOEMのようにコピー品を量産するようなこともありません。
機能面で優れている商品を自社ブランドで販売できるので、ライバル不在の状況を作ることが可能です。
もし、普段amazon物販で商品を扱っていて「この商品は、この機能を付ければいいのに」と改良点が思いつく方はOEM販売に向いているかもしれません。
そこで、中村さんの著書「amazon国内OEM完全ガイド」の制作にも関わった私が、今までノウハウがほとんど出回っていない国内OEMでヒット商品を生み出す方法を解説します。
- OEM販売の概要
- 国内OEMと中国輸入OEMとの違い
- 売れる国内OEM商品を生み出すアイディア法
- 売れる国内OEM商品の具体的な商品設計
- 1商品で10万円以上の月利を生み出す国内OEM商品の販促方法
これらの方法をマスターすると、数商品のOEM商品を生み出すだけで月利100万円以上は可能となります。
国内メーカー仕入れを経験した方など中上級者向きの方法であることは否めませんが、OEM販売に興味のある方は最後までご覧ください。
目次
amazon物販におけるOEM販売とは?
まずは、中国輸入ビジネスの簡易OEMを含めて、まだOEM販売をやったことがない方に向けて、「OEMとはどういうものか?」ということを解説します。
OEMは簡単に言うと、自社ブランド商品を販売するということですが、大きく分けてOEM商品には3種類あります。
OEMとは自分だけのオリジナルブランド商品を販売すること
OEMは「Original Equipment Manufacture (Manufacturing)」の略で、直訳すると「相手先ブランドを製造する会社」という意味になります。
ただ、これはどちらかというと私達が製造を依頼するメーカー側の定義です。
amazon物販ビジネスをする私達が意味するOEMは「他社が製造した商品を自社オリジナルのブランドで販売すること」を指すことが多いです。
そのため、相手先の製造メーカーとのコミュニケーションで混乱しないように気を付けましょう。
本記事では、OEM販売は「自社オリジナルのブランドで販売すること」という意味で使用します。
例えばコカ・コーラであれば、社名と同じブランド名のコカ・コーラや、社名と違うブランド名のスプライトなどの飲み物があります。
このように、自社ブランドと言っても、社名と一緒の場合もあれば、社名と違う場合もあります。
ただ、いずれの場合でも、コカ・コーラであれば、コカ・コーラというブランド名が缶に表示されていますし、スプライトもスプライトというブランド名が缶に表示されています。
同じように、OEM商品をamazon販売するには、パッケージやタグなどに自社のブランド名を表示しなければいけません。
この点がamazon物販ビジネスで比較すると、せどり・転売やメーカー仕入れとは大きく違う点になります。
OEM販売には3種類ある
OEM商品は、大まかには次の3種類に分類することができます。
簡易OEM商品 | 既製品に改良を加えず、パッケージ/タグなどで自社ブランド名を表示した商品 |
セット組商品 | 複数の既製品を組み合わせ、パッケージ/タグなどで自社ブランド名を表示した商品 |
OEM商品 | 既製品を改良または新規設計した製品に、パッケージ/タグまたは本体への印刷などで自社ブランド名を表示した商品 |
シャボン玉を例にすると、改良を加えずに、自社ブランド化したシャボン玉の液体を販売する場合は簡易OEMとなります。
簡易OEMというと、中国輸入ビジネスのイメージを持たれる方も多いと思いますが、国内の物販ビジネスでも簡易OEMを行うことは珍しくありません。
一方でセット組商品とは、2つの仕入れ先から仕入れた商品を1つの商品として自社ブランド化した商品です。
セットで販売した方が売上を見込める場合に、セット組商品を販売します。
シャボン玉を例にすると、ストローとシャボン玉の液体を別々のメーカーから仕入れ、セットとして販売するような場合です。
メーカー仕入れで既存商品を販売する際も、セット商品を扱った経験のある方は多いと思いますが、OEMでセット商品を作る際は、以下の2パターンがあります。
- 取引メーカーの商品と他社商品を組み合わせて販売する
- 自社ブランド商品と取引メーカーの商品を組み合わせて販売する
「これは単品ではなくセットにした方が売れそうだな」という視点でも、日頃から商品をリサーチしてみましょう。
なお、シャボン玉が遠くに飛ぶように改良を加えたり、新規に開発したりした場合が、通常のOEM商品と呼びます。
商品開発の難易度が高い順番で示すと、OEM商品>セット組商品>簡易OEMとなります。
ただ、amazon物販ではいずれの場合も新規の商品ページの作成が必要となります。
簡易OEMの場合も、既存商品のレビューなどを参考にしながらお客様のニーズをつかみ、お客様に欲しいと思ってもらえる商品ページに改良する必要があります。
OEMは、儲からない商品を儲かる商品に変えて自社で販売する機会とも言えます。
信頼関係を構築したメーカーには、日頃から「この機能を付けた方がいいのでは?」「商品ページの画像を変えた方がいいのでは?」と改良案を示すのもいいでしょう。
OEM販売は実現できなくても、新商品のamazon販売を独占させてもらえることもあります。
amazonOEM物販は主に国内商品と中国輸入商品の2つ
amazonOEM物販の生産委託先には、主に国内メーカーと中国の工場があります。
よく知られた方法は、後者の中国の工場、つまり中国輸入ビジネスの簡易OEMになります。
中国輸入の簡易OEMは、一大ブームになったこともあり、比較的ネットで調べてもノウハウが調べられますし、昔から書籍が販売されています。
実際にOEM=中国輸入というイメージを持っている方は多いでしょう。
しかし、今回私がおすすめするのは、あまりよく知られていない国内OEM販売です。
理由については後述します。
国内OEMが中国輸入OEMよりおすすめな4つの理由
多くの方は、OEMと聞くと中国輸入ビジネスの簡易OEMを想像しますが、長期的にビジネス展開していくなら国内OEMの方がおすすめです。
たしかに、国内OEMよりも中国輸入ビジネスの方が仕入れ値が安く、ライバル商品よりも安価に販売できる傾向があります。
しかし、オリジナリティや品質が低い、ライバルに似た商品が少なくありません。
一方で、国内OEMで目指すのは、中国や欧米の商品より価格が少し高いが、他商品にはない「欲しい!」と思える要素がある商品です。
結果的に、多少単価が高くても、お客様に適正な価値を与えられる国内OEM商品の方が長く売れ続けます。
ライバルと差別化できる
OEMの大きなメリットは、自社ブランド商品を作り、相乗りされない新規の商品ページを作成することでライバルとの差別化を図ることができる点です。
しかし、独自の商品ページを持てば差別化ができるというわけではありません。
上記のように、新規の商品ページを持っても、お客様が商品検索した際にページ違いの類似商品が多ければ結局埋もれてしまいます。
中国輸入OEMの大きな問題点が、ページ違いのライバルに埋もれてしまいやすいことです。
中国輸入OEMはAmazon物販ビジネスでも流行のジャンルなので、ただでさえライバルが多い状態にあります。
加えて、中国製品は他社ブランドと同じ金型で製作され、機能やデザインが驚くほど似ていることが珍しくありません。
これでは、お客様から見れば、ページ違いのパクリ商品と思われてしまうでしょう。
ライバル商品の二番煎じでヒットすることは難しく、中国輸入OEMでうまくいかなかった方の大半の理由が、まさにこれです。
一方で、国内商品は高い技術力で、こだわりを持って製造された商品が多いです。
そのため、中国商品に比べると高い価格になりがちですが、ライバルとの差別化がしやすくなります。
生産委託先メーカーの保証が効く
国内OEMは、商品の品質や信頼性が抜群なことに加え、何か問題があっても生産委託先メーカーの保証が効きます。
一方で、中国輸入OEMは中国の工場にOEM商品の製作を依頼することになりますが、品質上の問題が発生しても保証が効かないことがあります。
中国輸入OEMは、直接供給元の製造メーカーと取引をするわけではないので、責任の所在が自分になってしまうのです。
そのため、何かトラブルがあった際も無償で交換してくれないことが出てきます。
しかし、不良品率にもよりますが、国内OEMについては何かトラブルがあれば無償の交換が可能になります。
為替や社会情勢の影響を受けない
国内OEMは、中国輸入OEMのように為替の影響を受けません。
中国輸入OEMは、仕入れ値が安いことがメリットですが、最近の円安や物価の高騰の影響で、以前より仕入れ値がどうしても高くなっています。
過去5年間の人民元の為替レートを見ても、かなり円安が進んでいることがわかります。
また、社会情勢の影響を受けやすく、コロナ禍のときは一時的に仕入れがストップした方も少なくありません。
今後も社会情勢は不安定な緊張状態が続くと考えられますが、国内OEMでは、そういった社会情勢上のリスクとは無縁となります。
海外送料や関税、消費税が発生しない
当たり前と言えば当たり前ですが、国内OEMは海外送料や関税、消費税が発生しません。
中国製品になると、海外送料や関税、消費税が発生するので、正しく利益計算しないと意外と利益が出ない・・・・・・ということになりかねません。
関税、消費税については商品によって変わりますし、関税がかからない商品も多数ありますが、だいたい10~15%くらいが目安になります。
海外送料については、中国はお隣の国なので、遠方の欧米諸国よりは安くなりますが、それでも航空便でだいたい1kg200~400円、船便で1kg100円くらいが目安になります。
ただ、国内OEMは海外送料や関税、消費税を差し引いても、中国製品よりは仕入れ値が高いところがあるので、付加価値をどうするかが重要なポイントとなります。
国内OEM販売で稼ぐためには5つのステップがある
それでは、ここから国内OEMで稼ぐためのノウハウをお伝えします。
OEM販売は、せどりやメーカー仕入れと違って、既製品を仕入れて販売するのではなく、自社ブランド商品を作って販売するビジネスモデルです。
つまり、次の手順で、既製品を元に商品設計して販売するというステップになります。
- 【STEP1】OEM商品の参考になる商品を見つける
- 【STEP2】OEM商品の設計をする
- 【STEP3】OEM生産委託先メーカーを見つける
- 【STEP4】利益予測して、OEM生産可否を判断する
- 【STEP5】OEM商品を販売する
amazon物販で商品リサーチというと、仕入れる商品をリサーチすることでしたが、OEMの場合はSTEP1で示したように、参考になるベンチマーク商品を見つけます。
ベンチマークする商品は、売れ行きのいい商品というよりは、商品もしくは商品ページを改良すれば売れそうな商品です。
つまり、「もっとこうすれば売れるのに」という商品です。
参考になる商品を見つけたら、売れるように商品設計するのがSTEP2になります。
STEP1→STEP2で、儲からない商品を儲かる商品に変えることがOEM販売の本質です。
STEP5で商品を販売しますが、これもせどりやメーカー仕入れのようなamazon物販とは考え方がまったく違います。
せどりやメーカー仕入れでは、既製品の商品ページに相乗りして販売することになりますが、自社商品や独占契約商品の場合は、商品ページを作成する必要があります。
そのため、商品画像を中心に、商品が売れるように商品ページを作成し、さらに商品ページをお客様に見つけてもらうような対策が必要となります。
以下、OEMの4つのステップについて詳しく説明します。
【STEP1】OEM商品の参考になりそうな商品を見つける
国内OEMは、リサーチして見つけた商品を販売するのではなく、自社商品を生み出して販売する物販ビジネスです。
とはいえ、一から商品を考えるわけではなく、既存の取引メーカーの取扱商品の派生商品を選んだり、リサーチしてモデリングする商品を探したりします。
具体的には、次のようにヒントとなる商品を探していけば、OEMが初めてでも売れ筋の自社商品を生み出せるようになります。
新規分野の商品ではなくamazonにある商品をモデリングする
amazonでOEM商品の成功率を高くするには、一見すると画期的な新規分野の商品を取り扱うのはおすすめしません。
このような商品は、お客様のニーズをつかむことが難しいためです。
特に画期的な新商品は、いきなりamazonで販売しても認知されにくいという難点があります。
amazonで誰も知らない商品を販売しても、お客様が検索して探すことができないためです。
例えば、「光るアイスクリーム」という商品を思いついたとします。でも、食べ物が光るということが想像できるお客様がどれだけいるでしょうか?
もし、そんなアイスクリームがあったとしたら、たしかに画期的ではありますが、お客様は知らないのでamazonの検索で探せません。
そのため、amazon内である程度需要が高いと判断できて、商品か商品ページを改良すれば売れそうな商品をモデリングするのがamazon国内OEM物販の定石です。
つまり、ライバルと差別化できない似通った商品でも、逆に目新しすぎる商品でもNGということになります。
余談ですが、画期的な新規分野の商品であれば、amazonに出品する前にMakuakeなどのクラウドファンディングでテスト販売しながら認知を高めていく手があります。
クラファン終了後、支援数などから一般販売でも売れるかどうか判断し、amazonや自社ECサイトで販売するのが自然な流れです。
このあたりについては、中村さんと田村りょうさんの共著である「国内クラウドファンディング⇒個人物販ガイド」をご覧ください。
需要はあるのに残念な商品をモデリングする
では、どんな商品をモデリングすればいいかというと、次のような特徴があるのに、amazonでそこそこ売れている商品です。
- 商品ページで魅力が伝わってこない商品
- レビューが低い商品
つまり、「本当はもっと売れていいのに」「こうすれば売れるのに」という「ちょっと惜しい商品」であれば、すべてモデリング対象です。
一方、商品ページが作りこまれており、レビューが高くて売れている商品は、すでに消費者のニーズをつかんでいる商品です。
メーカーにとってOEMのメリットがないので、取引成立が難しくなります。
ただ、OEM商品を作る場合の参考にできるので、メモはしておきましょう。
逆に明らかに需要がなく、amazonで全然売れていない商品は大コケする可能性が高いのでリサーチ対象外です。
なお、①商品ページで魅力が伝わってこない商品の例を出すと、次のような画像がシンプルすぎる商品です。
- 最大7枚掲載できる商品画像が1枚だけ
- 角度を変えて商品を撮影しただけ
- 商品画像の2枚目以降にお客様に魅力を伝える文言がなし
- 商品レビューで高く評価されていることが商品画像で表現されていない
- 商品が有名ブランドではない
このような状態でそこそこ売れているということは、商品内容そのままで、商品ページを改良するだけで、簡易OEMでも売れ筋商品に変わる可能性が高くなります。
一方で、簡易OEMではなく、商品そのものを改良した方がいいのが②レビューの低い商品です。
レビューが低いのに売れているということは、満足度が低いのに他に競合製品がなく売れているか、競合製品も同様に満足度が低い可能性があります。
また、商品のターゲットや訴求がずれているような場合も、低レビューの原因になります。
後者の場合は、同じく商品ページを変えれば良さそうですが、前者の場合は低評価レビューの内容を参考にして商品の改良が必要です。
お客様のニーズを満たすようにして改良することで、高評価のレビューが多く、売れやすい商品になります。
【STEP2】OEM商品の設計をする
ここまで読んで、どのような商品をベンチマークしたらいいかが理解できたかと思います。
しかし、OEM販売するには、既存商品をそのまま真似するのではなく、商品内容か商品ページを改良して儲かる商品に変える必要があります。
そうしなければ、ライバルの同カテゴリー、同キーワードの類似商品と差別化できず、売れることはありません。
そこで、具体的にどんなOEM商品に設計するかを解説します。
誰が何のために商品を欲しがるのかを把握する
国内OEMの大原則は、誰が何のために商品を欲しがるのか把握して、amazonでリサーチして見つけた「ちょっと残念な商品」を改良することです。
どのように商品を改良するかというと、ちょっと残念な商品を見つけた場合、何が残念なのかを明確にすることが重要です。
この結果によって、商品の改良が必要な場合もあれば、商品ページの画像を変えるだけで良い場合もあります。
具体的には、
- 商品や商品ページのダメな点
- ダメな理由
- どうすれば良くなるか
を特定します。
例えば、次のように判断できれば、どうすれば売れるかを明確に判断できます。
この水鉄砲はレビューを見ると大人から評判が良いのに、子どもにしか訴求されていない。だから大人でも楽しめることを伝えれば、もっと売れる
この場合は、商品そのままに、商品ページの画像やタイトルを変えれば売れそうです。
このグローブはアウトドア用に作られているのに、耐熱性に不満を持つレビューが多い。キャンプでバーベキューや焚火のときに使っている人が多いのだから、もっと耐熱性のあるグローブを売った方がいい
この場合は、商品の改良が必要と考えることができます。
高評価、低評価含めてレビューを読んでみたり、実際に商品を使ってみたり、使った人から感想を聞いたりして、以下のターゲット消費者深掘りシートに記入してみましょう。
- 誰に:小さい子どもがいるお母さん
- 何を:パワフルなアシスト力で坂道も楽に進める電動自転車
- いつ:子どもの送り迎えや買い物の時間
- どこで:本来自転車を漕ぐことがつらい坂道
- どうやって:重い荷物や子どもを乗せて
- 期待:坂道をスイスイと進める電動自転車が欲しい
- 不安:自転車を坂道で漕ぐと疲れる、足がつる
思い込みではなく情報を元にしてターゲットを選定する
商品ターゲットの選定は、思い込みではなく、商品レビューやツールを活用してデータを根拠にして判断することが大切です。
商品レビューを元にしたターゲット選定は、先ほどお伝えしましたが、もう1つは参考にする商品を、お客様がamazon内でどんなキーワードで検索して見つけたかを考えることです。
amazon内の検索キーワードを調べるために、役に立つツールがセラースプライトです。
セラースプライトは、特にOEM販売に取り組む方であれば必須といっていいツールです。中国製のツールの割には、日本語の翻訳に不自然なところはほとんどないので、利用に支障が出ることはないでしょう。
ただ、料金は月額98ドル(1ドル=140円換算で13,720円)、年会費が980ドル(1ドル=140円換算で137,200円)~と、安価とは言えない金額です。
そのため、最初は無料で使用してみて、頻繁に使うようであれば有料会員登録することで良いかと思います。
とはいえ、OEM販売に本格的に取り組むのであれば、無料では機能が制限され、検索キーワードの選定や商品リサーチに利用するには不便なので有料会員登録をおすすめします。
一例として、水鉄砲で検索キーワードを調べてみると、以下のように頻繁に検索されるキーワードと、検索ボリューム(月間検索数)が表示されます。
月間10000以上アクセスされているキーワードを見ると、「超強力 飛距離」「子供用プール」「女の子」などのキーワードがあることがわかります。
- 飛距離が飛ぶ水鉄砲が人気なのでは?
- 子ども用プールで使いやすい水鉄砲とはどのような仕様だろうか?
- 男の子だけでなく、女の子が使う水鉄砲も需要があるのだろうか?
という具合に考えながらリサーチを進めることができます。
お客様のニーズに関係する機能を強化する
商品を改良する際は、お客様のニーズに直結する機能(一次機能)の改良を優先します。商品に直接関係のない二次機能の改良は、売上には大きく影響しません。
グローブに例えれば、グローブ本体の耐熱機能やグリップ力、保温性といった機能が一次機能です。
一方で「グローブにフックが付いていて収納に便利」など、グローブ本体とは直接関係のない機能が二次機能です。
消費者の立場から見れば、グローブを探しているときに一番関心があるのは一次機能です。
バーベキューであれば耐熱性、雪山やスキー場で使うのであれば保温性が絶対条件となるでしょう。
しかし、「グローブにはフックが付いていないといけない」と考える人は少数派です。
二次機能よりも、一次機能の強化を優先していきましょう。
既存商品のマイナス要素をなくす訴求に注意する
商品の機能強化の方法は、「マイナスをゼロにする方法」と「プラス要素を追加する方法」の2つがありますが、前者の場合は要注意です。
例えば、水鉄砲であれば「当たっても痛くない」、グローブであれば「ゴム臭くない」といった、商品のマイナス要素を失くすような訴求です。
水鉄砲が「当たっても痛くない」のは、子供が遊ぶには安心材料になるので重要な要素かもしれませんが、耐熱グローブが「ゴム臭くない」のは、そんなに大きな訴求とはあまり考えられません。
それよりも、「熱い物に触っても熱くない耐熱性」「雪山でも寒くない耐寒性」の方が重要と考えられます。
このように、マイナスをゼロにするような訴求は、場合によってはあまり消費者にPRできないこともあるので注意してください。
視覚的に訴求しやすい商品は儲かる可能性が高い
文字で訴求力を高めるのはもちろん重要なのですが、画像を使って視覚的に訴求できるなら、より強く消費者にアピールできます。
例えば次のようなものです。
子どもが飛距離のある水鉄砲で楽しそうに遊んでいる画像。
手袋の厚みを増して耐熱性や保温性を強化したなら、増した分の色を変えた画像。
子供を乗せてスイスイと坂道を登っている電動自転車の画像。
もちろん、すべての商品が画像だけで強く表現できるわけではないので、文字を挿入するなどの工夫が必要です。
ただ、文字を挿入するにしても、なるべく訴求力の高い画像を使用した方が、余計な説明が不要になります。
文字があまりごちゃごちゃ入っていると、必要な情報を把握できなくなり、かえって訴求力が弱くなる懸念があるので注意しましょう。
【STEP3】OEM生産委託先メーカーと交渉する
生産委託先メーカーは、主に既存の取引メーカーにアプローチするか、新規メーカーを探すことになります。
OEM初心者は、既存の取引メーカーからアプローチしてOEM生産を提案することがおすすめです。
既存の取引メーカーの場合、あなた自身がすでに商品の良し悪しを理解しており、改良点を見つけたり、商品ページを作りやすかったりします。
ただし、メーカー仕入れの商品リサーチの過程で、「こういうふうに改良すれば売れるのに」と思える商品と出会えた場合など、新規の生産委託先メーカーと交渉する機会もあります。
新規OEM生産委託先メーカーのアプローチとしては、次の2つの方法が考えられます。
- 既製品を作っているメーカーに直接アプローチしてみる
- インターネットで検索してOEM生産を委託できるメーカーにアプローチしてみる
他にも、商工会議所や異業種交流会、BtoBマッチングサイトを利用する方法がありますが、最初は①②の方法を知っておけば十分でしょう。
ただ、新規メーカーへのアプローチは、既存の取引メーカーに比べると商品の魅力を把握していないので、消費者ニーズや競合との差別化を一から考えないといけなくなります。
また、最低ロットも大きくなる傾向にあり、比較的検索ボリュームの大きいキーワードで商品ページを作ることになります。
そのため、得られる利益は大きくなりますが、リスクも大きくなるので、利益予測をしっかりと行っておく必要があります。
既存取引メーカーにOEM商品を提案する
既存取引メーカーへのアプローチ方法については、簡易OEM、セット組販売、そして商品の改良を行うOEM販売で変わってきます。
簡易OEMであれば、商品設計自体はメーカー側で色違いの商品を作ったり、パッケージを作り直したりするだけですが、商品ページをどうするかが肝です。
メーカー商品のいいところを挙げて、どうすれば消費者のニーズに訴求することができるかを十分に説明するようにしましょう。
他社商品を含めて、今まであなたが扱っている商品とセットで売った方が売上アップを見込める場合は、セット組商品を提案しましょう。
「私には、御社の商品と別の商品を組み合わせて販売するスキルがあります」ということをアピールして、商品ページも作成することを提案してみてください。
商品を改良する場合は、メーカーがそもそもOEM生産に対応しているかが問題です。
特にメーカーが自身のブランドを広げていく戦略を取っている場合は、OEM生産に乗り気でない場合があります。
しかし、OEM生産ができなくても改良案を採用してもらう可能性があり、新商品のamazon販売の独占や法人コンサルを働きかけやすい状態になります。
少なくとも、良い商品の提案をしてくれる代理店としてメーカーの信頼が高くなるでしょう。
既製品を作っている新規メーカーに直接アプローチする
リサーチしてたまたま見つけたなど、既製品を作っている新規メーカーに対しては、以下のような初回交渉メールを送るようにしましょう。
〇〇株式会社 ご担当者様
初めまして。
株式会社〇〇の〇〇と申します。
御社の商品を購入させていただいて使用したところ、とても優れた商品で愛用させていただいています。
そこで、御社の商品に大変興味がありますので、OEM生産は可能でしょうか?
当社はオンライン販売に特化した会社で、主にAmazonさんを販路にしてOEM販売をしております。
御社の条件、指定の価格は必ず守りますので、もしよろしければOEM生産に対応していらっしゃれば取引条件をご教示ください。
御社の商品は〇〇が素晴らしいと思い、長所をもっと活かせるように改良すると、より良い商品になると感じています。
当社はAmazonで売れやすい商品の特徴や、商品ページの作成、広告戦略のノウハウを蓄積しておりますので、もしお困りごとがあればご相談ください。御社の商品は、消費者の需要が高い素晴らしい商品なので、力になれることがあるかと思います。
当社の会社概要は下記となります。
またご連絡くださいませ。どうかよろしくお願いいたします。
(署名:会社名・担当者名・住所・電話番号・メールアドレス・HPのURL等)
メーカー仕入れの経験を積んだ方であれば、交渉メールを送ることには慣れていると思います。
OEM生産する際も、上記の交渉例文を参考にして、以下のポイントを反映しながらオリジナルの交渉例文を送るようにしてください。
- amazonでのOEM販売を専門としている旨を伝えること
- 自分がどういった人間かをメーカーに知ってもらえるように、OEM生産委託したい気持ちを丁寧に伝える
- どういった販売者がメーカーからしたら嬉しいか考えて書き、相手の気持ちを考慮する
- 自分がOEM販売することで、メーカーにどのようなメリットがあるのか、協力できることは何かを考えて書く(売上アップする商品ページの作成や広告戦略が可能など)
- メーカーの商品の良さをちゃんと知っていて、利益目的だけでないことを伝える(利益を出すことは大事だが、メーカーは商品を深く理解してくれる方を好む)
- 自分の強みは何か、過去の経験や現在の職業、持っている資格、趣味、あなたがどういった人間か分かるように書く
ただし、あまり長文になってもNGなので、メーカーが返信しやすい適度な文章量を心がけてください。
ネット検索で見つけたOEM生産委託先メーカーにアプローチする
OEM生産をしている企業は日本ではたくさんあります。インターネットに自社HPを持っている企業であれば、検索をかけるだけで見つかります。
例えば、テントのOEM商品を作りたいと考えたら、Googleで「テント OEM」で検索してみましょう。
実際に検索して出てきたサイトをクリックすると、OEM生産に対応できるメーカーがたくさん出てきます。
このようなメーカーは、積極的にOEM生産を請け負っているので、初回交渉のメールは簡潔明瞭で構いません。
〇〇株式会社 ご担当者様
初めまして。
株式会社〇〇の〇〇と申します。
御社の商品に大変興味があるので、OEM生産は可能でしょうか?
主な販売先はAmazonになります。取引条件を教えてください。
ベンチマーク品は以下となります。
(ベンチマーク品のURL)
よろしくお願いいたします。
(署名:会社名・担当者名・住所・電話番号・メールアドレス・HPのURL等)
【STEP4】利益予測してOEM生産可否を判断する
OEM生産候補となる商品とメーカーが決まれば、実際にOEM生産するかどうかを決めるために、商品がどれくらい売れて、どれくらい利益が出るか予測します。
OEMの場合、1商品あたりの利益が大きくなりますが、一方で時間や労力も大きくなります。そのため、以下のことは決めておきましょう。
- 1商品あたりに許容できる仕入額の上限を決める
- 1商品あたりに見込む月利額の下限を決める
1商品あたりの月利は、以下の計算式で算出できます。
月の利益額
=月間販売個数×1個当たりの利益額
=月間販売個数×(売値―送料・手数料―仕入値)
実際は広告費もかかってきますが、ここでは広告費は省略して考えます。
なぜなら、最初は広告費をかけてAmazonの検索上位に表示する対策が必要ですが、自然検索でも上位になると、広告費を減らして、やがてゼロにできるためです。
送料・手数料は、amazon FBA納品までの送料や、FBA利用に関わる手数料なので、FBA料金シミュレーターなどですぐに計算できます。
売値に関しては、ベンチマークしたamazon商品などを元にしますし(同単価か少し高単価)、仕入値は生産委託先メーカーとの取引条件で決まります。
月間販売個数を予測する方法
上記の計算式で予測が難しいのは、月間販売個数でしょう。
OEMの月間販売個数については、まだ誰も販売していない商品を扱うので、相乗り商品よりも売れ行きの予測は難しくなります。
ただ、あくまでも目安に過ぎないのですが、月間販売個数の当たりを付けることはできます。
優先度が高い順番で示すと、以下の3つの方法があります。
- ベンチマーク商品の売れ行きをKeepaを利用して確認する
- 検索ボリュームから予測する
- amazonランキングから予測する
一番精度高く予測できるのが①の方法ですが、ベンチマーク商品と競合する可能性も考慮して、保守的に計測値の7~8割くらいを見込むといいでしょう。
①が難しい場合は、セラースプライトで検索キーワードの検索ボリュームを調べると、以下の計算式からある程度予測できます。
購入率については、商品ページの出来や商品力次第で20~30%程度いくこともありますが、保守的に予測しておきましょう。
③のamazonランキングの予測とは、以下のようにランキングとカテゴリーから傾向を見て月間販売個数を予測することを言います。
上記は、中村さんの経験をもとに傾向をまとめたものです。
他にGoogleやTwitterなどで「アマゾン ランキング 販売数」と検索すると、ランキングと販売数の一覧表を公開している情報が出てきます。
しかし、いずれの場合もあくまで大カテゴリーのランキングなので、ざっくりした目安で、精度は高くありません。
また、ランキングでの販売個数は季節や景気などの環境要因で変動しますので、あくまで参考値としてください。
目標利益や許容仕入額と比較して可否を判断する
計算して予測できた仕入額と利益と、最初に設定した目標利益と許容仕入額を比較して、設定した基準を超えていれば、OEM可能と判断します。
【OEM生産OKの例】
Ⓐ1商品あたりの仕入額上限 | Ⓑ仕入表で計算した仕入原価 | |
2,000,000円 | 1,500,000円 | Ⓐ>Ⓑで可 |
Ⓒ1商品あたりの月利の最低目標 | Ⓓ仕入表で計算した利益(月利) | |
300,000円 | 350,000円 | Ⓒ<Ⓓで可 |
【OEM生産NGの例①仕入額も利益も条件を満たさない】
Ⓐ1商品あたりの仕入額上限 | Ⓑ仕入表で計算した仕入原価 | |
2,000,000円 | 2,500,000円 | Ⓐ<Ⓑで不可 |
Ⓒ1商品あたりの月利の最低目標 | Ⓓ仕入表で計算した利益(月利) | |
300,000円 | 250,000円 | Ⓒ>Ⓓで不可 |
【OEM生産NGの例②仕入額の上限を超えている】
Ⓐ1商品あたりの仕入額上限 | Ⓑ仕入表で計算した仕入原価 | |
2,000,000円 | 2,500,000円 | Ⓐ<Ⓑで不可 |
Ⓒ1商品あたりの月利の最低目標 | Ⓓ仕入表で計算した利益(月利) | |
300,000円 | 320,000円 | Ⓒ<Ⓓで可 |
【OEM生産NGの例③目標利益を達成できない】
Ⓐ1商品あたりの仕入額上限 | Ⓑ仕入表で計算した仕入原価 | |
2,000,000円 | 1,800,000円 | Ⓐ>Ⓑで可 |
Ⓒ1商品あたりの月利の最低目標 | Ⓓ仕入表で計算した利益(月利) | |
300,000円 | 250,000円 | Ⓒ>Ⓓで不可 |
OEM生産が可能と判断できる場合でも、最低ロットが大きい場合は、在庫を抱える期間が長くなりすぎないように注意してください。
OEMでは、半年分程度の在庫を持つこともありますが、長期の在庫は資金繰りが厳しくなるので、自身の許容できる範囲を決めておきましょう。
そのため、最低ロットが月額販売個数予測を上回る場合は、在庫期間がどのくらいになるかも計算してください。
許容できる仕入額や在庫期間は、ご自身のOEM販売の経験によっても変わってきます。
OEMが初めての方であれば、なるべく仕入額や在庫期間は抑えたいところですし、経験者であれば、ある程度の大きな投資ができます。
【STEP5】OEM商品を販売する
OEM生産が可能と判断したら、次はどのようにamazonで販売するかを考えます。
- 思わずポチってしまう商品ページを作成する(特に重要なのが商品画像と商品タイトル)
- amazonの検索画面で商品ページが上位表示されるSEO対策をする
なので、まずはクリック率や購入率が高くなるような商品ページを作成して、検索表示回数が多くなるような対策をしましょう。
思わずポチってしまう商品ページを作成する(商品画像編)
商品ページのなかでもっとも大切なことは、商品画像(7枚まで)と商品タイトルです。
商品画像については、amazonのトップ画像は白抜き、商品の割合85%以上、文字挿入不可と制約が多いので、残りの2~7枚目でどのような訴求をするかが重要です。
画像では表現しきれない部分を文字で表現すると捉え、なるべく画像で訴求力を担保するようにしてください。
上記のターゲット深掘りシートの電動自転車を例にして、商品画像のイメージと商品画像に挿入する文言(キャッチコピー)を考えます。
ターゲット消費者深掘りシートをもとに、次の要素に分解してキャッチコピーを考えましょう。
意味 | 電動自転車の場合 | |
ターゲット | 主な消費者(ペルソナ像) | 重い荷物と子どもを乗せて自転車を漕ぐお母さん |
ターゲットインサイト | ターゲットが秘めている本音、欲求、不安などの心情 | 自転車を漕ぐのが疲れる。特に坂道が最悪。足がつる。 |
商品の強み | 競合商品に比べてアピールできるところ | パワフルなアシスト力 |
キャッチフレーズ | 「自分に関係ある」「必要」と一瞬で感じてもらえる文字や画像 | 不安:ふくらはぎがつった……期待:座ったままで、すい~ |
タグライン | キャッチフレーズで表現したことを裏付ける文字や画像。 | お子さまを乗せても坂道ラクチン |
上記をもとに、イメージとなる画像を作成してみましょう。デザイナーさんに外注する際に意図が伝わるように、簡単に作成することで構いません。
この電動自転車のイメージとなる商品画像を作ると、以下のようになります。
最後に、デザイナーさんに外注できるように、画像コンセプトシートにまとめていきます。
フォントの色やカラーなど、以下のように具体的なイメージを伝えるようにしてください。
- 主婦層に親しみのあるフォントやカラーを使ってください
- 商品カラーに合わせてオレンジベースのカラーを使ってください
- この文字を一番目立たせてください
以下のように商品コンセプトシートにまとめて外注すれば、デザイナーさんは作業がしやすいでしょう。
実際は、コンセプトシートをトップ画像含めて7枚分作成し、素材集めや写真撮影、デザイン外注の参考資料にしています。
なお、何枚目にどんな画像を載せればいいかは、だいたい次の目安で考えるといいでしょう。
1枚目 | 白抜きの商品画像(商品の割合85%以上) |
2~3枚目 | 消費者の期待に応え、「お!」と思わせるような画像 |
4~5枚目 | 2~3枚目を裏付ける商品機能を簡潔に説明した画像 |
6~7枚目 | 商品への不安を解消する画像(壊れる、ケガする、取り扱いが難しい等) |
必ずしも商品画像を7枚用意する必要はないですが、だいたいの型として、「期待に応える→商品機能→不安解消」という順番は知っておいてください。
商品タイトルについては、次の3点を守って考えるようにしてください。
思わずポチってしまう商品ページを作成する(商品タイトル編)
商品タイトルは、基本的には以下の3点で考える必要があります。
- 検索キーワードが含まれていること
- 商品名ガイドラインを守っていること
- 「ターゲット消費者深堀りシート」から連想される言葉が入っていること
【検索キーワード】
セラースプライトなどである程度検索キーワードを定めます。月間検索数が10,000件を超えるキーワードは1つ以上入れておくといいでしょう。
例えば、上記の電動自転車の例であれば、「電動自転車」「電動アシスト自転車」「電動バイク」などのキーワードが良さそうです。
しかし、検索キーワードについては、商品仕様、キーワードタグでも設定できますので、総合的に商品タイトルを考えるようにします。
【商品名ガイドライン】
amazonの商品タイトルには、カテゴリーごとに商品名ガイドラインというものが存在しています。
商品名のガイドラインを遵守したタイトルを付けないと、検索対象外となるリスクがあるので、ガイドラインの範囲内で検索キーワードや訴求力を意識しなければいけません。
【ターゲット消費者深掘りシート】
検索キーワードやガイドラインを守ったうえで、ターゲット消費者深堀りシートをもとに、思いつく用語を列挙していきます。
例えば、上記の電動自転車であれば、
- 子どもを乗せて漕げる→子ども乗せ、チャイルドシート装着可能、前後かご装着
- 坂道を楽々と進める→坂道に強い、坂道で座ったまま
といった用語が思いつくでしょう。
他に電動自転車に求められる機能があれば、ベンチマーク商品や競合商品のタイトル名やレビューを参考に、タイトルに含めてください。
例:軽量、持ち運び、折りたたみ、専用充電器付、大容量バッテリー、公道走行可能、完成車納品
以上検索キーワード、商品名ガイドライン、ターゲット消費者深掘りシートから考えると、次のような商品名になります。ブランド名は仮にTANAKAMURA、型番はXXXXXXとします。
TANAKAMURA 子供乗せ 電動アシスト自転車 坂道で座ったまま 20インチ XXXXXX チャイルドシート 前後かご 専用充電器 100%完成車納品
amazonの検索画面で商品ページが上位表示されるSEO対策をする
SEO対策というと、多くの方は、「ブログやホームページをどうGoogleの検索上位に表示させるか」ということをイメージするかと思います。
しかし、SEO対策はGoogleの自然検索だけの話だけではなく、amazonの検索順位でもSEO対策があります。
amazonのSEO対策とは、「自分の商品ページをいかに検索上位に表示させるか」ということです。
amazonの自然検索順位は、大まかに次のように決まるとされています。
- 消費者の検索キーワードと商品ページのテキストが一致していること
- 商品が売れていること
- 商品価格が適正で乱高下しないこと
- 在庫切れを起こさず安定供給できていること
- 高評価のレビューが多いこと
しかし、発売直後の新商品では、②⑤を満たすのは無理なので、最初は広告費をかけて、以下のスポンサープロダクト広告をかけて上位表示させます。
その後、商品が売れるようになり、自然検索の順位が上がってきたら、広告を止めて自然検索だけでも売れるようにして利益率を上げていきます。
もし、広告費をかけても売れないようなら、クリック率は35%、購入率は10%を目安に、以下のように改善が必要となります。
売れない場合 |
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違うキーワードで売れた場合 |
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改善しても売れない場合 |
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国内OEMがメーカー仕入れ経験者におすすめである3つの理由
国内OEMは、中国輸入OEMに比べてブルーオーシャンであるメリットはありますが、逆に言えば参入障壁が高いというデメリットに言い換えることができます。
特に物販初心者、せどり・転売しか経験していない方には、国内OEM販売に取り組むのはかなり難易度が高いでしょう。
国内OEMは、EC STARs Lab.で推奨しているメーカーと直接取引して商品を仕入れるメーカー仕入れの経験を積んだ方におすすめです。
- メーカー仕入れ経験があると既存取引メーカーにOEM商品の交渉ができる
- メーカー仕入れの経験があった方が新規メーカーの印象がよく取引しやすい
- 国内OEMは利益が出るまで時間がかかり資金力も必要
もし、メーカー仕入れ未経験の方は、まずはメーカー仕入れから取り組んでみるのがおすすめです。
詳しくは、次の記事をご覧になるか、中村さんの著書である「amazon国内メーカー直取引完全ガイド」をご覧ください。
https://nakamura03.com/2023/06/19/makershiire-kojin/
既存取引メーカーにOEM商品の交渉ができる
生産委託先メーカーの探し方は、大きく分けて2つあり、新規メーカーにアプローチする方法と、既存の取引先メーカーと信頼関係を構築する方法があります。
OEM販売が初めてであれば、後者が王道の方法です。
「いつも商品を売ってくれてありがとうございます。今、この商品を少し改良してamazonで販売したいと思っているんですが、あなたのブランドで売ってみませんか?」
と、初めてOEMに取り組むなら、気心が知れて商品内容を把握している取引メーカーの派生商品を扱うのが確実だからです。
既存取引メーカーの方が、新規メーカーに比べればロットも抑えやすく、ニッチな検索キーワードで比較的少量から手堅く販売を開始できる傾向にあるのも1つのメリットです。
新規の生産委託先メーカーの印象がいい
既存取引先の他、もう1つのメーカーへのアプローチ方法が新規の生産委託先メーカーの開拓です。
新規メーカーへのアプローチも、やはりメーカー仕入れを経験していた方が有利です。
いくらせどり・転売の実績があっても、メーカーとの交渉ではそれほど有利にはなりません。
「私は、これまで様々な商品のせどりをやってきて十分な収益を得てきました」
と言っても、さほど興味を持たれることはないでしょう。
しかし、メーカー仕入れの経験があればどうでしょう?
私は、アウトドア商品を主に扱う○○株式会社と長期取引させていただき、amazon販売させていただいてます。価格競争が起こることなく、適正価格で3年ほど安定的に商品が売れています。おかげで、アウトドア商品のニーズもつかめるようになり、こんな商品もあったらいいなと思い、貴社にご連絡しました。
と言えば、メーカーの印象は全然違うものになります。
新規メーカーへのアプローチという観点でも、国内OEMに対しては、メーカー仕入れの経験を勧める方が多いです。
国内OEMは利益が出るまで時間がかかり資金力も必要
国内OEMはメーカー仕入れに比べて、1商品を出品するまでのリードタイムが長く、利益が出るまで時間がかかります。
メーカー仕入れと国内OEMの月利をイメージすると、以下のグラフの通りです。
販売までのリードタイムが短いメーカー仕入れは、割と短期間で月利を達成することができ、月利10万円くらいであれば、1ヶ月かからない人も多いです。
一方、国内OEMは販売までのリードタイムの目安が3ヶ月(簡易OEMは1ヶ月)あり、まだ1ヶ月程度では販売すらできません。
そのため、3ヶ月くらいは利益ゼロということになり、どうしてもメーカー仕入れよりは時間遅れが発生します。
それでいて、OEMはメーカー仕入れに比べれば最低ロット数が大きくなるので、1商品あたりの資金力も求められます。
以上のことから、国内OEMは、他の収入源がない状態で挑戦することはあまりおすすめはしません。
メーカー仕入れで経験と資金を積み上げながら取り組んでいくといいでしょう。
最後に
以上、amazon国内OEM物販について解説しました。
国内OEMについては、既存の取引メーカーと信頼関係を構築しながらステップアップするのが王道の方法です。
なので、メーカー仕入れの経験がない方には少し参入障壁が高いかもしれません。
しかし、既存商品にはない付加価値を付けた商品を作るなど、オリジナルブランドならではの面白さがあります。
本記事では詳しく紹介していませんが、商標登録をすることで、相乗りを排除できるため、ライバル不在の状況を作り出すことができます。
より詳しいノウハウを知りたい方は、中村さんの著書である「amazon国内OEM完全ガイド」をご覧になって実践してください。全392ページの大作となっています。
特に、ベンチマークする商品の選び方や商品設計、商品ページ作成、SEO対策などは、とても1記事では伝えきれない分量なので、興味のある方はぜひ書籍を手に取ってください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
このようなお悩みありませんか?
- せどり・転売を続けることに不安を持っている人
- 副業で臨む成果を得られていない人
- 副業を始めたいけど、何をすべきか迷っている人
- 新たな事業で収入の柱を増やしたいけど何が良いか分からない人などなど
EC STARs Lab.代表の中村が過去有料で開催した 【Amazon物販ビジネス国内メーカー直取引完全攻略セミナー】 の内容を無料公開しております。
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