ドラッグストアせどりは、星の数ほどある店舗せどりのなかでも、比較的実践しやすいポピュラーな手法です。
どこに住んでいようと、だいたいは近所にドラッグストアがあるので、店舗せどりのなかでも参入障壁が低いのです。
しかしドラッグストアせどりで儲かったという話は、せどり経験者豊富のEC STARs Lab.でも聞いたことがありません。
そこで、今回はドラッグストアせどりが儲からない5つの理由と、実践するなら知らないと怖い5つの注意点について解説します。
目次
ドラッグストアせどりとは? 最低限知っておきたい3つの知識
ドラッグストアせどりといっても、扱う商品や仕入れ先、販路には様々な選択肢があります。
そこで、まずはドラッグストアせどりの概要について簡単に解説します。
ドラッグストアせどりで主に扱う商品
ドラッグストアには様々な商品が陳列されていますが、せどりで主に仕入れることの多い商品は次の通りです。
- 日用品全般
- 消耗品全般
- サプリメント、プロテインなど健康食品
- 食品全般
- 化粧品
- 香水などフレグランス系
- ボディソープ、シャンプー
- 家電
ドラッグストアでは、その名のごとく医薬品や医療機器もありますが、後述するように転売すると薬機法違反に該当するので注意してください。
ドラッグストアせどりの仕入れ先
ドラッグストアせどりの仕入れ先は多岐に渡りますが、代表的なところは以下の店舗です。
- マツモトキヨシ
- ウェルシア
- サンドラッグ
- ツルハドラッグ
- ココカラファイン
- スギ薬局 etc・・・・・・
と、近所にあるお馴染みのドラッグストアばかりです。
その他、ドン・キホーテやホームセンターのドラッグコーナーで仕入れることもドラッグストアせどりの一種と言えるでしょう。
店舗によってセールやキャンペーンの時期や特徴が違うので、仕入れ先のセールなどを把握しておくようにしましょう。
ただし、セールやキャンペーンの時期はライバルも同じことを考えているので、競争が激しくなる傾向にあります。
ただし、店舗せどり全般に言える話ですが、店舗によってはせどり目的の購入を禁止しているので注意してください。
ドラッグストアせどりの主な販路
ドラッグストアで仕入れた商品の販路については、基本的にはamazonとメルカリが主流です。
個人的なおすすめは、amazonで販売して価格競争などで売れなくなった場合の保険としてメルカリを活用することです。
amazonの方が商品ページ作成などの手間がなく、労力負担を軽減できるためです。
ただし、後述するようにドラッグストアなどの小売店から仕入れた商品は新品として出品できない点には注意してください。
ドラッグストアせどりをおすすめしない5つの理由
冒頭でもお伝えしたとおり、ドラッグストアせどりで儲けたという人は聞いたことがありません。
EC STARs Labで様々な物販経験者と接してきて、儲け話を聞いたことがないので本当に儲からないのでしょう。
なぜ、ドラッグストアせどりをおすすめできないかを解説します。
廃盤商品、セール品はライバルが多すぎる
ドラッグストアせどりでは、主に次のようなノウハウがよく言われます。
- 廃盤商品を狙おう
- 値札を重点的にチェックしよう
- 店舗ごとのセールやキャンペーンの特徴を押さえよう
- ワゴン品や在庫処分品をチェックしよう etc・・・・・・
ドラッグストアせどりは、比較的取り組みやすい手法なので、すでにノウハウが確立しているように見えます。
しかし、このような商品はライバルも同じように狙っています。
そのため、利益が出ると判断して仕入れてamazonで出品してみたら1~2週間後にライバルが急増していて全然売れない・・・・・・
メルカリで出品してみたら、同じような商品を扱っているライバルがうじゃうじゃいる・・・・・・
このような状態になりかねません。
上記のようなノウハウは、特別なスキルが必要ということではなく、知っていればすぐに実践できる参入障壁の低い話です。
そのため、あっという間にライバルが参入して商品が売れず、不良在庫を多く抱えることになりかねません。
ドラッグストアせどりに取り組むなら、ライバルの急増を見越して無理な仕入れをしないようにしましょう。
毎回新しい商品を仕入れないといけない
ドラッグストアでよく言われるノウハウの1つに、セールやキャンペーンの時期を狙って仕入れるというものがあります。
しかし、セールやキャンペーン期間や該当商品は限られているので、毎回新しい商品をリサーチして商品を仕入れないといけません。
そもそもセールやキャンペーン商品はライバルが急増して利益が出ないので非推奨ですが、仮に利益が出ても長続きしないのです。
安定した仕入れが不可能であるため、ずっと商品リサーチを続けないといけないリサーチ地獄に陥ることになります。
amazonでは出品制限にかかる商品が多い
ジャンルにもよりますが、ドラッグストアで仕入れる商品は、amazonで出品制限がかかっていないか必ず確認してください。
場合によっては小売店からの仕入れでは出品できない商品も多数あります。
そのため、仕入れる前に必ず商品登録して出品制限がかかっていないかチェックしておくようにしてください。
そうでないと、せっかく仕入れたとしても販売することができず、不良在庫を抱えてしまうだけの仕入れ損に陥ります。
出品制限は解除の方法がありますが、以下のような請求書を求められることがほとんどです。
せどりでは、到底このような請求書を仕入れ先に提示してもらうのは不可能なので、ほぼ出品制限は解除できません。
そのため出品制限のある商品は仕入れを諦めるか、間違えて仕入れた場合はメルカリなどで販売するしか方法はなくなります。
医薬品など商品によっては法律違反になることもある
詳しくは後述しますが、ドラッグストアで販売されている医薬品、医療機器は薬機法違反になるので転売できません。
知らずに転売した場合は薬機法違反で罰せられる可能性があるので注意してください。
せどり・転売禁止の店舗が多い
店舗せどり全般で言える話ですが、ドラッグストアでもせどり目的の購入を禁止している店舗は少なくありません。
※サンドラッグ「利用規約」より抜粋
例えば、サンドラッグでは明確な転売禁止を利用規約で定めています。
※スギ薬局「アプリ利用規約」より抜粋
スギ薬局も明確な転売禁止を定めています。
せどり・転売目的の購入を禁止する流れは、ドラッグストアも例外ではありません。
また、店舗せどりを容認していても、amazonやメルカリなどの価格は店舗もチェックしています。
つまり、価格差が出ないようにしてせどり目的の購入を防いでいるのです。
ドラッグストアせどりに限った話ではないですが、徐々にせどり・転売禁止、排除の流れがどんどん強くなっている点に注意しましょう。
知らないと怖いドラッグストアせどり7つの注意点
ドラッグストアでは様々な商品を仕入れることができますが、なかには要注意な商品もあります。
場合によっては法律違反で罰せられる可能性があるので、十分注意してドラッグストアせどりに取り組んでください。
医薬品・医療機器の転売は薬機法違反になる
ドラッグストアには、言うまでもなく医薬品や医療機器もたくさん陳列されていますが、せどり目的で仕入れることは絶対に避けてください。
【薬機法第24条(医薬品の販売業の許可)】
薬局開設者又は医薬品の販売業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品を販売し、授与し、又は販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列(配置することを含む。以下同じ。)してはならない。ただし、医薬品の製造販売業者がその製造等をし、又は輸入した医薬品を薬局開設者又は医薬品の製造販売業者、製造業者若しくは販売業者に、医薬品の製造業者がその製造した医薬品を医薬品の製造販売業者又は製造業者に、それぞれ販売し、授与し、又はその販売若しくは授与の目的で貯蔵し、若しくは陳列するときは、この限りでない。
例えば下図のパブロンのように「第○類医薬品」などと表示される商品は、法律遵守の観点で仕入れ対象外です。
医薬品だけでなく、ドラッグストアでは電子体温計や絆創膏など医療機器が多く販売されていますが、これらも原則転売禁止なので注意してください。
※サンテレビNEWSより抜粋
薬機法違反をすると、上図のように場合によって逮捕されることもあり得るので注意しましょう。
化粧品の転売も薬機法に注意
薬機法と言えば、化粧品の転売についても注意しないといけません。
例えば、商品を小分けにして出品することは禁止されています。
また、化粧品メーカーが流通規制をかけているケースも多いです。
監視を避けるために製造番号を消して転売すると、薬機法違反に問われるので注意してください。
詳しいことは以下の記事をご覧ください。
メルカリ・ラクマで化粧品や健康食品を転売する際も薬機法に注意
メルカリ・ラクマで商品を販売する際は商品ページの作成が必要となります。
しかし、特に健康食品や化粧品を販売する際は、商品ページで効果・効能や病名・症状に訴求する表現をしないように注意してください。
【薬機法第66条(誇大広告等)】
何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。
これは医療行為でないのに、効果を100%保証できないということが前提になっているためです。
と思うかもしれませんが、amazonやメルカリの商品ページも広告として定義されます。
そのため、以下のような表現は避けるようにしてください。薬機法だけでなく、景品表示法違反に問われることもあり得ます。
- がんが治る
- 便秘改善
- 腰痛の緩和
- 10歳若返る
- 10kg痩せる
- 視力が良くなる
- 肝機能改善に効果抜群
- しみ、しわがなくなる
- バストアップ
- アンチエイジング
- 記憶力向上
- 抗菌
- 殺菌
- 不妊治療
- 免疫力アップ
- 睡眠の質向上
- 細胞が再生する
- 血液サラサラ
- 疲労回復
- 育毛、発毛効果
- 新陳代謝 etc・・・・・・
ヘルス&ビューティー商品の転売の際は注意してください。
オリジナルブランド商品の転売は商標権違反になる
ドラッグストアせどりで注意しないといけない法律は薬機法の他に商標法があります。
各ドラッグストアでは、オリジナルブランドの商品を販売していることがあります。
しかし、オリジナルブランドの商品は、他販路に販売する際は許可を得ずに販売すると知的財産権を侵害する可能性があります。
そのため、販売許可を得ないままamazonなどで出品すると、高い確率で製造先から強いクレームが来ます。
このようなメールが届いたらすぐに出品を取り下げましょう。
もし応じない場合は、amazonでは真贋調査が入り、高い確率でamazonアカウントが閉鎖されるので対応を急いでください。
amazonの出品規制に十分注意すること
先ほどもお伝えしたように、amazonで販売する際は、仕入れる商品が出品できるかどうか、商品登録時に必ず確認してください。
もし出品規制がかかっている場合、書類の提出なく出品が許可されることもありますが、必要書類がないと許可されないこともあります。
後者の場合、せどりでは間違いなく許可されないので注意しましょう(メーカー仕入れの場合は、メーカーに書類を求めることができるので問題ありません)。
確認方法、出品許可申請の方法は以下の記事に掲載しています。
食品系は賞味期限/消費期限に注意すること
ドラッグストアせどりでは、食品を仕入れる方も多いでしょう。
実際に食品を組み合わせてセット販売するというノウハウもあるためです。
ただ、食品に関しては賞味期限/消費期限に注意するようにしてください。
各プラットフォームで出品時の注意事項があります。
なお、amazonの賞味期限付きの商品(要期限管理商品)のFBA納品については、以下の記事を参考にしてください。
amazonではメーカー保証を得られず新品として出品できない
amazonではメーカー商品と同等の保証を得られない商品の場合は、いくら未使用・未開封商品であっても新品として出品できない点に注意してください。
以下の商品は、Amazonで「新品」として出品することはできません。
- 個人(個人事業主を除く)から仕入れられた商品。
- メーカー保証がある場合、購入者がメーカーの正規販売代理店から販売された商品と同等の保証(保証期間など)を得られない商品(たとえば、メーカー保証がある場合に、すでにメーカーが定める保証期間が始まっている、または保証期限が切れている商品など)。
- プロモーション品、プライズ品、おまけに関しては、出品自体は許可されていますが、「新品」としては出品できません。出品する場合は、コンディションガイドラインに沿って中古品として該当するコンディションで出品してください。
- Amazon.co.jp限定商品としてAmazonによって販売されている商品(Amazonが特別に承認している場合を除く)。
※amazonコンディションガイドラインより抜粋
もっとも注意する点は、2番目の「メーカー保証がある場合に、すでにメーカーが定める保証期間が始まっている、または保証期限が切れている商品」です。
せどりの場合、どこで仕入れたとしても、商品が陳列された時点でメーカー保証期間が始まっています。
つまり、せどり、転売商品は基本的に全部amazonで販売する際は中古として出品しないといけません(“中古-ほぼ新品または開梱済み”など)。
この点に気付かずに、または知っていながら新品として出品する方も少なくありません。
しかし、お客様からのクレームなどで発覚した場合は、重大な規約違反に該当するので、amazonアカウント閉鎖に至る可能性が高いので注意してください。
ドラッグストアせどりをするならメーカー仕入れがおすすめ!
以上、ドラッグストアせどりについてお伝えしてきましたが、様々な制約があり、しかもライバルが多いのでおすすめしません。
ドラッグストアせどりとは全然違う物販ビジネスですが、メーカーと直接取引して商品を仕入れるメーカー仕入れの方が効率的です。
なぜなら、1度仕入れ先のメーカーを見つければ、長期的にリピート仕入れができるので、常に商品を探し回る必要がありません。
しかも、メーカーの方でamazonの出品者を限定して価格を固定することができるので、価格競争を防ぐこともできます。
そのため、ドラッグストアを何回も通って商品リサーチをするより、1つのメーカーと取引した方が長期安定的な収入に繋がります。
ドラッグストアせどりでは、常に新しい商品を探さないと利益がゼロになりますが、メーカー仕入れは長期的に商品を販売できるので利益が積み上がっていきます。
また、メーカー仕入れは、メーカーから正規で仕入れた保証が効く新品を仕入れるので、amazonでも新品として出品できます。
品質不良や知的財産権侵害のリスクもないので、amazonアカウント閉鎖リスクがなく、正々堂々と取り組める物販ビジネスです。
メーカー仕入れに興味があり、詳細を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
最後に
以上、ドラッグストアが儲からない理由と、知らないと怖い注意点について解説しました。
基本的にはドラッグストアせどりは参入障壁の低さからライバルが非常に多いので、基本的にはおすすめしません。
ただ、お宝探し感覚で楽しめる方は、近所のドラッグストアでせどりを試してみるのもいいかもしれません。
しかし、非効率なせどりであることには変わらないので、本格的に稼いで将来的に会社を辞めて独立したいということであればメーカー仕入れをおすすめします。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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