これは古物営業法違反ではないのかな?
ちょっと昔のニュースですが、以下のようにフリマアプリの転売で摘発されて報道された例もあるので、気になっている方もいるでしょう。
電脳せどりも店舗せどりも、古物商許可証を持って、古物営業法を守って行わなければいけません。
そこで、本記事では、電脳せどりで違法にならないように注意すべきことを重点的に解説します。
特にメルカリやラクマなどのフリマアプリ、ヤフオクなどのオークションサイトを利用している方は十分注意してください。
目次
電脳せどりは古物営業法を守って行わないと違法になる
冒頭でもお伝えしたとおり、基本的には電脳せどりだろうが店舗せどりだろうが、古物営業法を守って行わないといけません。
つまり、古物(中古品)を転売する場合は、古物商許可証を持って販売しなければいけないということです。
守らなければ違法行為となり、場合によっては3年以下の懲役、100万円以下の罰金となってしまいます(古物営業法第31条)。
知らないでは済まされないのが法律なので注意してください。
例外的に古物商許可証が不要になるケースもありますが、これは仕入れた商品が「古物」に該当しない場合です。
電脳せどりでは、一見すると新品に見えても古物に該当してしまうことがあるので注意してください。
例外的に古物商許可証が不要になるケース
古物営業法を簡単に解説すると、「偽物や盗品を仕入れて販売することがないように、中古品を扱うならば出品者は免許を取っておきましょう」という法律です。
このため、以下の場合は、例外的に古物商許可証が不要になります。
- 過去に自分が使用した不用品を販売する
- 小売店や代理店の実店舗から新品未開封の商品を仕入れて販売する
- メーカーと直接取引して商品を仕入れて販売する(もはやせどりではないですが、、、)
なぜなら、上記の場合は偽物や盗品である疑いがないためです。
しかし、電脳せどりの場合は後述するように一見すると新品でも古物扱いされるケースが多いので、基本的には古物商許可証を持っておいた方が無難です。
メーカーから直接商品を仕入れるメーカー仕入れの場合は古物商許可証が不要なので、物販のなかでも、せどり・転売特有の法的ルールと言えます。
古物商許可証の取得方法などの詳細については、以下の記事に掲載していますので、電脳せどりをやる方は必ず取得しましょう。
電脳せどりでは一見新品商品でも古物扱いになる点に注意
古物営業法で多くの方が誤解しがちなのが、古物の定義です。
古物営業法第2条では、次のように古物を定義しています。
この法律において「古物」とは、一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。
※古物営業法第2条より抜粋
このなかにある、「使用されない物品で使用のために取引されたもの」に関する具体的な解釈は次の通りです。
法第2条第1項中「使用のために取引されたもの」とは、自己が使用し、又は 他人に使用させる目的で購入等されたものをいう。したがって、小売店等から一 度でも一般消費者の手に渡った物品は、それが未だ使用されていない物品であっても「古物」に該当する。例えば、消費者が贈答目的で購入した商品券や食器セ ットは、「使用のために取引されたもの」に該当する。
※古物営業関係法令の解釈基準等より抜粋
つまり、未使用・未開封の明らかな新品でも、小売店などからお客様の手に渡った時点で古物(中古品)として扱うことになります。
例えば、Aさんがヤマダ電機から仕入れた家電製品をメルカリで転売しました。この場合、Aさんは古物商許可は不要になります。
Aさんは、商品がまだお客様に渡っていないものを購入して転売したためです。
しかし、Aさんがメルカリで未使用・未開封の新品として出品した家電製品をBさんが購入して、Bさんは今度はamazonに出品しました。この場合、Bさんは古物商許可は必要になってしまうのです。
なぜなら、Bさんは一度お客様(Aさん)の手に渡った商品を転売しているためです。
つまり、メルカリ、ラクマ、ヤフオクなどからの仕入れは、新品、中古に関わらず「一度お客様の手に渡った商品」となるので古物商許可が必須となります。
この点を勘違いして、古物商許可証を取っていない場合は違法となってしまうので注意してください。
amazonの場合は、中古品の仕入れは古物商許可は同じ理屈で必要ですが、新品の場合は、一度もお客様の手に渡っていないので古物商許可は不要になります。
電脳せどりの仕入れでは取引相手の本人確認が必要(非対面取引)
古物営業法上電脳せどりで注意しないといけない点は、取引相手と対面しないで商品を仕入れる場合は、取引相手の本人確認が必要となることです。
取引相手の本人確認がなければ、古物営業法違反となり、以下の罰則を受けることになります。
インターネット利用やFAX、電話による受付など、取引相手と対面しないで買い受け等を行う(非対面取引)場合、相手方が申し立てた住所、氏名等が真正なものであるか、「なりすまし」ではないか等を確認する必要があり、そのための措置が古物営業法第15条第1項第3号、古物営業法施行規則第15条第3項第1号から第9号、第11号から第13号で規定されています。
これを怠ると違反となり、処罰等を受けることがある上、盗品の処分先として利用された場合は、古物商自身も被害を被ることがあります。【罰則】法第33条第1号、第36条 6月以下の懲役又は30万円以下の罰金・併科
- 免許証等のコピーや住民票の写しを送ってもらうだけでは違反です。
- 1万円未満であっても、18歳未満の者からの買い取りでないことを確認する必要があります。(メールやメッセージ機能等を使用して確認をする等。)
- 法人相手の取り引きの場合、法人の取引担当者の住所、氏名、年齢、職業を確認しなければなりません。
(例)取引担当者の住民票の写し等と品物の送付を受けるとともに、法人の登記事項証明書及び取引担当者が法人の取引を担当している旨を記載した委任状等の送付を受け、同法人名義の預貯金口座に代金を振り込む。)
- オークションサイトやフリマサイト等において1万円以上の古物(バイク、ゲームソフト、映画や音楽を記録したCDやDVD等、書籍に関しては1万円未満でも対象となります。)を買い受ける場合も、その都度、下記のいずれかの方法で相手方の身分確認をする必要があります。
※警視庁ホームページ「非対面取引における確認の方法」より抜粋
つまり、メルカリやラクマ、ヤフオク、amazonの中古品仕入れなどのような明らかな個人間の売買でも、次の方法に従って本人確認をしないといけないと解釈できます。
上記の警視庁のホームページの記載のように、免許証のコピーや住民票の写しを送ってもらうだけでは不十分なので注意してください。
また、10,000円未満で出品者が18歳以上であれば、本人確認不要となりますが、そもそもフリマサイトやオークションサイトでは出品者の年齢が把握できません。
そのため、基本的にはどんな仕入れでも本人確認が必要と考えていいでしょう。
- 電子署名による方法
- 印鑑登録証明書等の送付による方法
- 本人限定受取郵便物等の送付による方法
- 本人限定受取郵便物等により代金を送付する方法
- 配達記録郵便物等を「転送不要」として送付する方法
- 本人名義の口座に入金する方法
- 「転送不要」配達記録郵便+本人名義の口座に入金する方法(相手方が住民票の写し以外のものを送付してきた場合)
- 公的個人認証法の署名用電子証明書等を活用する方法
- 公的個人認証法の認定を受けた者による、電子署名法の特定認証業務の電子証明書等を活用する方法
- 2回目以降でパスワード等を利用した取引による方法
- 異なる身分証明書の写し等2点と郵便(簡易書留など)を利用した本人確認方法
- 身分証明書の画像と郵便(簡易書留など)を利用した本人確認方法
- ICチップ情報と郵便(簡易書留など)を利用した本人確認方法
- 身分証明書及び容貌の画像を利用した本人確認方法
- ICチップ情報と容貌の画像を利用した本人確認方法
詳細は、以下のサイトを参考にしてください。
→→警視庁ホームページ:非対面取引における確認の方法
→→神奈川県警察ホームページ:古物営業法の一部改正について
しかし、現実的には、メルカリやヤフオクなどで上記の方法で本人確認することは、転売ヤーを嫌う出品者が多いことも考えるとかなり難しいでしょう。
だからといって、本人確認なしでメルカリやヤフオクで転売用の商品を仕入れることはグレーと思われます。
もし、不明な点があれば最寄りの警察署に確認した方がいいですが、個人的にはフリマサイトやオークションサイトで商品を仕入れることは避けた方がいいと考えています。
古物営業法以外の電脳せどりで違法となる行為に注意しよう
その他、電脳せどり、店舗せどりに関わらず、違法となる転売行為については注意してください。
せどり自体は古物営業法を守れば合法ですが、以下の行為はすべて違法となるので注意しましょう。
- チケットの転売行為(チケット不正転売禁止法違反)
- 偽ブランド商品の転売行為(商標法、著作権法違反)
- 薬機法上の許可なく医薬品の転売行為(薬機法違反)
- 輸入した化粧品の転売行為(薬機法違反)
- 小分けにした化粧品の転売行為(薬機法違反)
- 無免許での酒類の転売行為(酒税法違反)
- 商品の製造番号を削って化粧品などを転売する行為(薬機法違反)
- 盗品の転売行為(盗品関与罪)
詳細は、以下の記事をご覧ください。
最後に
以上、電脳せどりの違法性についてお伝えしました。
電脳せどりについては、古物営業法を守れば違法ではないのですが、問題は古物営業法を理解しているかどうかです。
電脳せどりは非対面取引になるので、フリマサイトやオークションサイトで古物(中古品)を仕入れる場合でも本人確認が必要です。
ただ、メルカリやヤフオクで本人確認を行うことはかなり現実的に難しいところなので、あまり電脳せどりに向いた仕入れ先とは言えないでしょう。
なお、記事中でもお伝えしましたが、メーカーと直接取引して新品を仕入れるメーカー仕入れであれば、古物商の許可は不要です。
法律やプラットフォームの制約がなく、安定的に利益を積み上げることができるメーカー仕入れに取り組むことも検討してみるといいでしょう。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
今回も、最後までご覧いただきありがとうございました。
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メルカリやラクマ、ヤフオクなどから仕入れて転売する電脳せどりは違法なのかな?