転売ビジネスとは違い、メーカーと直接取引して仕入れた商品(メーカー仕入れ)やOEM商品を販売する物販ビジネスに取り組んでいる人もいます。
メーカー仕入れやOEM販売に取り組んでいる人にとって、相乗りしてくる転売ヤーに頭を悩まされる人は少なくありません。
Amazonでは転売規制を強化しているものの、未だに転売行為が横行しているのが実態です。
せどりや転売を否定するわけではないですが、せっかくメーカーと取引して質の良い商品を販売しているのに、転売ヤーに荒らされるのは嫌なものです。
そこで、今回はメーカー仕入れ、OEM販売者が知っておきたい転売対策について解説します。
やや物販中上級者向きの話になりますが、メーカー仕入れやOEM販売に取り組んでいれば、あり得る話なので最後までご覧ください。
目次
【損失大】Amazonの転売ヤーがもたらす3つの問題
メーカー商品やOEM商品をAmazon販売している際に、転売ヤーが相乗りしてきた場合に発生する問題は、次の3つの通りです。
商品の売上低下 | 転売ヤーが安価な価格で出品することで、自分の出品している商品が売れなくなる |
商品の値崩れ発生 | 転売ヤーが値下げすることで、適正価格の維持が困難になる |
ブランドイメージの低下 | 適正価格以下の価格で商品が販売されることで、ブランドイメージが損なわれる |
Amazonで転売が横行してしまうと、メーカーや出品者にとって大きな損失になりかねないので対策が必要です。
商品の売上低下
メーカー商品やOEM商品で、転売ヤーが相乗りすることの一番の問題は商品の売上、販売個数が低下することです。
例えば、OEM販売している商品が月50個売れていた場合、転売ヤーが1人相乗りしてくると、単純に販売個数が月25個になってしまいます。
この時点で売上は半減になってしまうのです。
商品の値崩れ発生
さらに、転売ヤーは自分の出品した商品を売りたいので、価格を下げてきます。
Amazonの場合は、1円でも安い出品者が売れるので、自社も商品価格を下げないと、商品がまったく売れなくなってしまいます。
転売ビジネスを少しでも経験した方ならわかるでしょうが、転売ヤーは自分の出品した分を売ろうと頻繁に価格を下げてくるので、要注意です。
特に転売ヤーが何人も相乗りしてくる状況になると、価格崩壊が起きる可能性が高くなります。
転売ヤーのせいで適正価格で販売できなくなることがないように、手を打っておくことは必須です。
ブランドイメージの低下
転売ヤーによって、消費者が低価格で入手できてしまうと、商品の売上低下だけでなく、ブランドイメージが低下します。
特に転売ヤーが出品している商品が偽物や劣化した商品の場合は、メーカーや販売者のブランドイメージの毀損に繋がります。
自分は何も悪くないのに、転売ヤーのせいで消費者の信頼を失ってしまうことがあり得るのです。
長期的なブランド価値が低下すると、他の商品にも悪影響が起きるので、このような事態は避けないといけません。
メーカー仕入れ実践者が知りたい転売対策
メーカー仕入れをしている方は、転売ヤーと思われる人が参入してきたら、早めに対策を講じることが必要です。
転売ヤーを放置していると、商品の販売個数が低下して、さらに値崩れが発生してしまいます。
一度値崩れが発生すると、元に戻すのに時間と労力がかかってしまいます。
まずは、メーカーに相談して、早急な対策を促すように交渉しましょう。
なお、EC STARs Lab.代表の中村さんのメーカー仕入れの書籍も参考になるので、興味のある方はご覧ください。
メーカーに相談して取引している卸業者を確認してもらう
転売ヤーと思われる人が同じ商品を出品してきたら、まずはメーカーに状況を報告して相談してください。
必ず取引している卸業者を調べてもらい、取引していない業者がAmazon販売していないか確認するのです。
もし、取引していない業者がいた場合は、メーカーになるべく対応してもらうようにしましょう。
本気のメーカーであれば、転売ヤーと思われる人に電話をします。
転売ヤーであれば、この問いには答えられません。
このまま転売ヤーが転売を続けていたら、最悪、真贋調査を経てAmazonアカウント閉鎖なので、ほとんどの場合は出品を取り下げます。
なお、取引している卸業者でも、
と言いながら、偽ってAmazon販売していることも考えられます。
と、卸す実店舗の名前、住所、電話番号、担当者なども聞き、あとでメーカーから実店舗へ事実かどうか確認してもらうといいでしょう。
販売メーカーに販売者の限定化を提案する
転売ヤーが出品していなくても、ただ単にメーカーが取引している人を増やしている可能性があります。
先にお伝えしたように、相乗り出品者が増えれば自分の販売個数が落ちてしまいますし、値崩れの恐れが出てくるのでメーカーにとっても良くありません。
メーカーの立場から考えれば、複数人にAmazon販売を任せたいでしょうが、あまり増えすぎてもリスクなのです。
そこで、メーカーに販売者の限定化を提案するようにしましょう。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
OEM販売実践者が知りたい転売ヤーの相乗り対策
OEM販売している方は、自社ブランドの商標登録をしたうえで、Amazon Brand Registryに登録することが一番です。
Amazon Brand Registryに登録しておくと、転売ヤーが自社商品を出品しようとしても商品登録できずに出品できないなどの様々なメリットがあります。
なお、OEM販売の転売ヤー対策については、EC STARs Lab.代表の中村さんの書籍も参考になります。
自社ブランドの商標登録する
Amazon Brand Registryに登録するには、自社ブランドの商標登録をすることが必要です。
OEMに取り組んだばかりで、まだ商品が売れていない場合は相乗りリスクが低いですが、売れてくるほど相乗りリスクを無視できません。
日本の商標は、商標登録の手続きを行ったものが優先的に保護される先願主義をとっています。
OEM販売で軌道に乗ってきたら、商標登録を進めた方がいいでしょう。
商標登録の方法は、概ね次の3パターンがあります。
①知財ポータルに相談する
行政が運営している「知財ポータル」の無料相談窓口が全国にあるので、そちらで申請書の書き方などのアドバイスを受けることもできます。
特許庁に直接問い合わせてもいいでしょう。
商標登録を自分で行うことになるので手間はかかりますが、最も安価に済ませることができます。
②Web上の商標登録サービスを利用する
おすすめの方法が、ToreruやCotoboxなど、Web上の登録サービスを使うことです。
直接最寄りの弁理士を探すより費用が比較的安く済み、自分のブランドが商標登録できるかどうかも確認できるのでおすすめです。
③最寄りの弁理士に依頼する
一番費用が高くなりますが、今回の商標登録だけでなく、今後も知財関係の相談に乗ってほしいということであれば、最寄りの弁理士さんに依頼するのも良いでしょう。
身近に弁理士がいなければ、知財ポータルで、相談に乗ってくれる弁理士と繋がるという手もあります。
なお、商標登録にかかる料金は次の通りです。
- 商標登録出願料:3,400円+(8,600円×区分数)
- 商標登録料: 32,900円×区分数
商標の取得には、通常1年程度かかります。
しかし、すでにAmazon販売を始めているブランドなど、早めに商標登録したい場合は、早期審査が認められる可能性があります。
早期審査が認められれば、審査期間を短縮することができるため、3~6ヶ月程度で取得できます。
デメリットとしては、早期審査では、既に販売しているか相当程度準備が進んでいる商品しか申請できず、権利範囲が狭くなる点です。
例えば、カバンのOEM商品を販売していて、そのブランドで将来アクセサリーや服などにも展開しようとする場合、通常の証票申請であればすべての区分で申請できます。
一方で、早期審査では現在販売しているカバンでしか申請できず、アクセサリーや服は後から追加申請しなければいけません。
Amazon Brand Registryに登録する
商標が取得できたら、次はAmazon Brand Registryに登録します。
Amazon Brand Registryに登録すれば、転売ヤーが相乗り出品しようとしても商品登録ができなくなります。
ただ、万が一偽物が出品されてしまうようなことがあり得ます。特にAmazon限定商品であれば、転売ヤーが出品している商品は偽物です。
その場合は、商品を購入して、撮影したうえでAmazonに通報すれば、確実に排除できるでしょう。
また、Amazonは偽物に対する保護機能を強化しており、通報しなくても転売ヤーの出品が削除されていることもあります。
なお、Amazon Brand Registryに登録しておけば、転売ヤー対策になるだけでなく、次のメリットもあります。
Vineメンバーにレビューを依頼できる | Amazonが選んだトップレビュアーにレビューを依頼できる機能(Amazon Vine先取りプログラム)。説得力があり、信憑性の高いレビューが集まるが、低評価レビューが付く可能性がある。 |
Amazonストアが構築できる | 自社ブランド商品をまとめて紹介できる商品ページを作ることができる。ネットショップのようなお店感を演出できて、自社ブランドのファンを作ることができる。 |
スポンサープロダクト広告以外の広告が利用できる | スポンサーブランド広告、スポンサーディスプレイ広告などが利用できる。 |
Amazon Brand Registryに登録している場合は、積極的に利用するといいでしょう。
最後に
以上、メーカー仕入れ、OEM販売実践者向きに、Amazon販売商品の転売対策方法を解説しました。
自社商品やメーカーと取引しているAmazon商品で転売ヤーが横行すると、商品の売上低下、価格崩壊、ブランドイメージの低下などの悪影響が出ます。
特に売れ筋商品では転売ヤーが相乗りしやすくなるので、なるべく早めに対策を講じておくといいでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
このようなお悩みありませんか?
- せどり・転売を続けることに不安を持っている人
- 副業で臨む成果を得られていない人
- 副業を始めたいけど、何をすべきか迷っている人
- 新たな事業で収入の柱を増やしたいけど何が良いか分からない人などなど
EC STARs Lab.代表の中村が過去有料で開催した 【Amazon物販ビジネス国内メーカー直取引完全攻略セミナー】 の内容を無料公開しております。
下記をクリックして中身をご確認ください^^
国内メーカー仕入れに特化したセミナーはコチラから↓↓
弊社が出版した書籍一覧はコチラから↓↓