台湾や香港よりは距離はあるものの、タイは比較的日本から行きやすい国の1つです。
また、東南アジアのなかでは人気の観光地であることもあり、タイで商品を仕入れて日本で販売するタイせどりに取り組んでいる人がいます。
マイナーな手法ですが、輸入ビジネスは、中国や欧米だけの話ではないのです。
タイは日本や中国、欧米のようにECサイトが整備されておらず、最低1回は基本的には現地仕入れ、現地交渉が必須となります。
その割には日本で売れる利益商品が少ないので、あまりおすすめできる手法ではありません。
本記事では、タイせどりの概要や、おすすめしない理由を解説します。
タイせどりに興味のある人は、1つの参考としてご覧いただくと幸いです。
タイせどり5つの特徴|他のせどりとは違う異色の手法
まずは、タイせどりの特徴についてお伝えします。
以下のように、中国・欧米輸入ビジネスなど、他のせどりとかなり違う異色の手法になってきます。
- 原則タイに直接行って商品を仕入れる
- バンコク近郊の工場に行って簡易OEMに取り組む方法もある
- タイの展示会に行く方法もある
- 代行業者を利用して、2回目以降の仕入れではオンライン上のやり取りで仕入れができる
- タイで仕入れる商品の多くはファッションアイテム
このように、比較的物販ビジネスの経験が豊富な方に向いている方法と言えます。
直接タイに行って実店舗で商品を仕入れる
冒頭でもお伝えした通り、タイせどりは、実質的には直接タイに行って商品を仕入れに行く店舗せどりの方法しかありません。
韓国せどりや台湾せどりの場合は電脳せどりも可能ですが、タイの場合、ECサイトが整備されていないのです。
そのため、1回でもタイまで行って現地に仕入れに行く必要があります。
東京からバンコクまでは、飛行機で約7時間15分かかります。
ただ、一度タイに行って、代行業者や現地の実店舗と繋がりさえできれば、2回目以降の仕入れはオンライン上で可能になります。
通常のせどりのように、ただ単に仕入れに行くのではなく、代行業者や現地の人とうまく繋がることがコツになってきます。
仕入れ場所はバンコク市内になり、具体的には次のような場所で商品を仕入れます。
- プラティナム・ファッションモール
- パラディウム・ワールド・ショッピング(平日のみ営業)
- チャトゥチャック市場(週末のみ営業)
- バイヨーク・タワーII
- カオサン通り
- チャイナタウン
- ボーベー市場
- ナイトマーケット(夜営業)
その他、代行業者におすすめの実店舗を聞いてみるのもいいでしょう。
タイの工場や倉庫に行って簡易OEMに取り組む方法もある
タイせどりの場合は、現地の実店舗の仕入れだけでなく、代行業者を連れて直接工場や倉庫に行って、簡易OEM商品を作る方法もあります。
中国輸入ビジネスでも簡易OEMは有名な手法ですが、タイでもOEM商品を作ることが可能なのです。
OEMの同じ商品であれば、何回も現地に行く必要がなく、1回でも行けば商品を仕入れ続けることができます。
ちなみに、OEMとは「Original Equipment Manufacture (Manufacturing)」の略で、簡単に言うと自社ブランドのオリジナル商品を作ることです。
つまり、タイの工場や倉庫で現地の人と交渉して商品を製造・生産を委託してもらい、自社ブランドとして販売するのです。
他社の既製品を転売することではないので、厳密には”せどり”とは違う手法になります。
ネット上でできる中国OEMに比べると、かなりハードルが高く、物販上級者向きの手法と言えます。
ただ、その分ライバルはかなり少なくなります。少なくともライバル過多になるまで過熱した中国OEMに比べると、かなり参入者が少ないのが現状です。
※「OEMとは何?」という方は、以下の記事をご覧ください。
なお、タイの工場や倉庫に行く際は、チョンブリー県、サムットプラカーン県などバンコク近郊の都市になります。
バンコクから車で片道1~2時間半程度見ておきましょう。
また、工場や倉庫は、予約が必要になることもあるので、事前に代行業者に確認するようにしてください。
タイの展示会に行って仕入れる方法もある
タイせどりでは、直接タイの展示会に行って、商品を仕入れる方法もあります。
この方法の場合は、卸元と直接交渉することになり、場合によってはOEMも可能です。
難易度は高いものの、まだ市場に出回っていない商品を手にすることができるので、ライバルと差別化しやすいです。
代行業者がほぼ必須である
タイせどりの場合は、代行業者はほぼ必須です。
代行業者というと、中国輸入ビジネスを思い浮かべる方も多いと思いますが、中国輸入の場合は、オンライン上でやり取りします。
タイせどりの場合は、直接現地に行って、代行業者に通訳も兼ねてもらいアテンドしてもらうことが特徴です。
韓国や台湾と違い、タイはほとんど日本語が通じません。
代行業者を探すか、もしくはタイせどり実践者向けのツアーに行かないと、仕入れそのものが難しくなります。
代行業者を挟んでおくことで、店舗や工場の人との交渉がスムーズになり、2回目以降は現地に行かなくても仕入れができるようになります。
そのため、初回は少量だけ仕入れてテスト販売して、売れたらオンライン上でやり取りして仕入れ量を増やすといったことが可能です。
とはいえ、OEMではなくせどりの場合は、在庫がなければリピート仕入れができない点は注意しましょう。
タイの主な商品はファッションアイテム
タイせどりでは、主に以下のような商品を仕入れます。
- 古着
- シルバーアクセサリー
- サンダルなどの靴類
- バッグ、財布、カバンなどの革製品
- 天然石
- 宝石
- スタバなど日本にある店舗のタイ限定商品
- タイにしか手に入らないエスニックな民芸品、雑貨類
このように、主にファッションアイテムを仕入れることが多いです。
注意しなければいけないのが、ワシントン条約などの輸入規制です。
タイせどりでは革製品を仕入れる方が多いですが、クロコダイル商品はワシントン条約に抵触するため、正式な手続きをしないと輸入できません。
タイせどりが全然おすすめできない7つの理由
タイせどりは、他のせどりの手法とはかなり毛色が違うマイナーな手法です。
中国・欧米輸入ビジネスに比べるとライバルは少なく、せどりの中ではブルーオーシャンと言っていいでしょう。
しかし、ライバルが少ないとはいえ、稼ぐことが簡単ではないので、あまりおすすめしません。
少なくともタイせどりは、せどり上級者向きの方法です。
タイ旅行が好き、タイ商品が好きと、何かしらタイに思い入れがないと、かなりハードルが高い手法と言えるでしょう。
タイの商品知識がないと仕入れが難しい
タイせどりで、利益が出そうな商品の多くはファッションアイテムです。
アパレルせどりの知識が求められることは当然として、タイの文化や日本人のニーズを知らないと、何を仕入れたらいいかわかりません。
せっかくタイに仕入れに行って、日本で販売してみたものの、全然売れないということになりかねません。
アパレルせどりの知識があって、なおかつタイが好きな人でないと、稼ぐどころか仕入れすらできないでしょう。
日本で需要のある商品が少ない
タイせどりは、国内せどりや中国・欧米輸入ビジネスに比べると日本で需要のある商品が少ないです。
たしかにタイせどりはライバルが少ないですが、売れ筋商品も少ないのです。
しかも、タイ商品の知識がないと目利きが難しいので、せっかく現地に行っても日本で売れそうな商品を探すことが大変です。
また、狙い目の商品カテゴリーがかなり限られるので、今後タイせどりの参入者が増えたら、すぐに飽和することも考えられます。
長期的に考えて、一生モノのスキルとは言えないかもしれません。
偽物や不良品が多い
輸入ビジネスで頭を悩まされるのが偽物や不良品ですが、タイせどりの場合も気を付けないといけません。
露店では特に偽物や不良品は多いですが、一見しっかりしたような実店舗でも偽物の販売は少なくありません。
特にブランド物については中国同様に偽物が大変多いので、ノーブランド品の仕入れや簡易OEMを中心とするといいでしょう。
また、商品の素材についても、正しく表記せずに虚偽の場合が少なくありません。
例えば、革製品と言いながら合皮だったり、シルバーと言いながらメッキ加工していたりといったものです。
偽物を見分けることに自信がない方は、仲介業者におすすめの実店舗をよく聞くようにするといいでしょう。
利益率が低い商品が多い
タイせどりは、日本で需要のある商品が少ないことに加え、中国や欧米商品に比べると仕入れ値が高く、利益率が出ない商品が多いです。
日本人にニーズがなく、しかも利益が出ないという点が、タイせどりの最大の難点と言えます。
渡航費はもちろんのこと、海外送料や関税・消費税、仲介業者への手数料などを差し引いて、しっかり利益計算する必要があります。
輸入規制がかけられている商品がある
輸入ビジネスでは、輸入規制は気を付けないといけませんが、これはタイせどりでも同様です。
タイせどりで特に気を付けないといけないのがワシントン条約です。
ワシントン条約とは、「絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」のことで、以下の動物の輸入が禁止、もしくは規制されています。
※税関ホームページより抜粋
「附属書Ⅰに掲載されているもの」とは、商業目的での持ち込みが禁止されている動植物、それ以外(附属書II、附属書Ⅲ)では許可書がないと持ち込みできません。
タイせどりでは、革製品を仕入れる人が多いですが、例えばクロコダイル製品は輸出許可書がないと輸入できません。
ファッションアイテムを仕入れることが多いタイせどりでは、ワシントン条約には十分注意しましょう。
大量に仕入れるなら海外送料がかかる
海外の店舗せどりに共通するところですが、大量に商品を仕入れる場合は、自分で日本に持ち帰るわけにはいきません。
後から仕入れた商品を送ってもらう必要があるので、海外送料がかかってきます。
さらにタイせどりでは、仲介業者に対する手数料もかかるので、利益計算には十分気を付けましょう。
1回以上は現地に行く必要があるので渡航費がかかる
当然のことですが、タイせどりでは、少なくとも1回以上は現地に行く必要があります。
東南アジアは近い国とはいえ、せどりのために海外に行くことに抵抗のある人も多いでしょう。
しかし、1回でも行けば、仲介業者や現地の実店舗の人と繋がれば、オンライン上でやり取りはできます。
新たな仕入れ先、OEM委託生産先開拓が必要な際にタイに行けば良くなります。
タイ旅行が好きな人にとっては、あまり大きなデメリットとは言えないでしょう。
面倒で稼げる商品が見つからないタイせどりよりメーカーと直接取引する方がおすすめ
タイせどりは、たしかに現状はライバルが少ないですが、そもそも日本で需要のある利益商品が少ないです。
日本で人気の観光地なので、今後需要が増えることはあるかもしれませんが、逆にライバルの参入者が増えてすぐに飽和する可能性もあります。
このようなことを考えると、タイせどりで稼ぐことは難しく、稼げたとしても長期的に続けられるビジネスモデルではないでしょう。
わざわざ現地まで行っても売れ筋の利益商品が見つからないタイせどりに取り組むよりは、上図のように国内外のメーカーと直接取引した方がいいでしょう。
これはAmazonメーカー仕入れと言われる手法で、タイせどりに比較すると次のような違いがあります。
メーカー仕入れ | タイせどり | |
リピート仕入れ | ○ | × |
価格競争 | ○(対策可能) | △ |
品質 | ○ | × |
クレーム・返品返金 | ○(ほぼない) | ×(多い) |
アカウントリスク | ○(ほぼない) | ×(多い) |
月利の安定性 | ○ | × |
メーカー仕入れであれば、1度取引が決まれた商品をリピート仕入れすることができますし、販売者を限定化できれば適正価格で商品を販売することができます。
メーカーから直接仕入れるので、偽物や不良品に悩まされることはなくなり、メーカー保証の効いた品質の良い新品を仕入れることができます。
もし、何かあったとしても、メーカーがすぐに対応してくれるので、安心・安全の物販ビジネスと言えます。
興味のある方は、次の記事をご覧ください。
最後に
タイせどりについてお伝えしました。
タイせどりは、他のせどりよりは異色な手法で、ライバルは少なめですが、市場がかなり小さく、しかも利益商品が少ないです。
よほどタイ旅行が好きで、ファッションアイテムに詳しいなら話は別ですが、あまりおすすめできる手法とは言えないでしょう。
なお、タイせどりの他、国外の現地に買付けに行く手法として、韓国せどりと台湾せどりがありますが、詳細は以下の記事をご覧ください。
タイせどりについて、少しでも参考になれば幸いです。
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