こんにちは、amazon物販コンサルタントの中村裕紀です。
中国輸入を始める方は、粗利益や輸入代行手数料、送料だけでなく、税関で発生する次の4種類の費用に注意しなくてはいけません。
関税をはじめ、税関で発生する費用について把握しなければ、最悪赤字になってしまうなんてことも……。
そんなことがないように、今回は税関で発生する費用についてお伝えします。
目次
関税とはどんなもの?
関税には、大きく分けて実行関税率と、少額仕入れの場合に適用される簡易関税率の2種類があります。
これは、中国輸入だけの話ではなく、輸入全般に言えることです。
商品代金+送料の合計額 | |
実行関税率 | 20万円を超える場合 |
簡易関税率 | 20万円以下の場合 |
関税の計算式は、税率で表されている品目については、次の計算式で計算されます。
では、詳しく見ていきましょう。
※税率や手数料は変わる可能性があるため、最新の税率などを確認するようにしてください。
実行関税率
商品代金+送料の合計額が20万円を超える場合は、実行関税率が適用されます。
物販の場合は、20万円以上の仕入れのことが多いでしょうから、一般的にはこの税率が適用されると考えてください。
税関のHPに、主な商品の実行関税率の目安が毎年4月1日など年に数回更新されるので確認しておくと良いでしょう。
以下は、主な商品の実行関税率の目安の表です。
スマホなど画面が小さくて読みにくい方は、こちらの税関ページご覧くださいね。^^
(注)この表は、個人輸入者の関心が高いと思われる代表的な品目について、その関税率を示したものです。関税率及び各品目の関税率表上の所属区分は、原産国、品目の材質、加工の有無及び用途などによって大きく変わることがありますから、この表の関税率がそのまま適用されるとは限りません。一応の目安とお考え下さい。
税関ページ 1204 主な商品の関税率の目安より*
上記のお知らせの通り、あくまでも代表的な商品を掲載されていますが、目安としては十分です。
関税はきちんと把握しないと赤字になってしまうので注意が必要ですが、目安を知っておけば不安はある程度解消されます。
仕入れたい商品の関税の目安がわかったら、積極的に実行することで経験値が身につき、稼げる感覚を得ることができるでしょう。
関税に注意しなければいけない品目
関税率表や私の経験上、中国輸入に限らず特に関税に気をつけなければいけない品目は以下のとおりです。
特に衣料品、靴類、革製品については関税率が高いことがわかります。
経験上、私もこれらの商品を輸入する際は特に関税に注意しています。
ただ、アクセサリーや釣り用具、じゅうたん、キッチン用品、寝具類といった商品も物販では人気のジャンルです。
衣料品や革製品ほどの関税率ではないですが、利益率には十分注意するようにしましょう。
食品は関税率だけでなく食品衛生法の規制にも注意
amazonで販売をしている限り、中国からはあまり食品を輸入することはないかもしれませんが、実行関税率の目安を見ると、食品も一般的に関税率が高いことがわかります(10~30%程度の関税率が多いです)。
また、食品については食品衛生法の規制に注意しなくてはならず、食品衛生法に従った届出が必要になります。
食品については食品衛生法上の規制があり、関税率も高いことから、あまり初心者には向いていないと言えるでしょう。
簡易税率とはどんなもの?
商品代金+送料の合計額が20万円以下の少量仕入れの場合は、簡易税率が適用されます。
中国のアリババなどでの初回仕入れ時など、少量仕入れするような場合は、簡易税率が適用されるのか確認してください。
こちらについても、税関のHPに少額輸入貨物の簡易税率について記載があります。
次は、どんな商品に簡易税率が適応されるか見てみましょう。
主な品目の簡易税率
主な品目の簡易税率については、次のとおりです。
・毛皮製品:20%
・衣料品:10%
・プラスチック製品、ガラス製品:3%
・家具:3%
少量仕入れでも実行関税率が適用される品目
以下の商品については、商品代金+送料が20万円以下であっても、簡易関税率ではなく「実行関税率」が適用されるので注意しましょう。
たとえば靴については、少量仕入れであっても、あの高い税率が適用されてしまうのです……。
・米などの穀物とその調製品
・ミルク、クリームなどとその調整品
・ハムや牛肉缶詰などの食肉調製品
・たばこ、精製塩
・旅行用具、ハンドバッグなどの革製品
・ニット製衣類
・履物
・身辺用模造細貨類(卑金属製のものを除く)
※税関HPより抜粋
課税価格10,000円以下は関税、消費税が免除されるが……
課税価格が10,000円以下の場合は、一部の商品を除いて関税、消費税が免除されます。
ただし、個人使用目的のみです。
海外から帰国した時に国内に持ち込むお土産の関税をイメージするとわかりやすいかもしれませんね。
同じ商品を大量にお土産として持ち帰ると関税がかかりますよね。
個人輸入の場合、購入した金額の60%に対して、関税がかかります。
例えば、10,000円(商品価格・送料・保険料含む)の商品Aを輸入した場合の課税対象額は以下となります。
10,000円×60%=6,000円
課税対象額が6,000円です。
「課税価格が10,000円以下の場合は、一部の商品を除いて関税、消費税が免除されます。」を考えると商品Aには関税が、かからない可能性の方が高くなります。
上記をふまえますと16,666円以下の商品価格ならば基本的に関税がかからないことになります。
16,666円×60%=9,999円
商品代金+送料が16,666円以下の場合は免税となります。
とはいえ、いくら物価が安い中国からの輸入であっても仕入れ総額が16,666円以下の取引では、送料や代行手数料などでほとんど利益が消えるので、現実的にはほとんどあり得ません。
消費税は送料と関税にもかかる
中国輸入ビジネスをする際は、消費税についても注意が必要です。
消費税については、商品代金や送料だけでなく、関税も含めて課される点に注意してください。
消費税額=(商品代金+送料+関税)×消費税率
課税事業者の場合、本来消費税は確定申告時に一括して納付する仕組みになっていますが、輸入に関しては商品購入時に消費税を支払います。
そして、確定申告時に、すでに支払った消費税を差し引いて申告することになります。
預かった消費税から支払った消費税を差し引いて、トータルの消費税がマイナスになれば払いすぎた消費税は還付されます。
課税事業者の方は正しく会計処理して、忘れずに申告するようにしましょう。
税関手数料と中国輸出通関手数料も必要
関税ともうひとつ、気にしなければいけないのが、ダンボール1箱あたりの価格で一律に決まっている税関手数料と通関手数料です。
税関手数料 | 1箱200円 |
中国輸出通関手数料 | 1箱4元(約60円) |
※2020年9月現在の為替レートによる
つまり、為替の変動で若干上下するものの、ダンボール一箱あたり約260円かかると考えてください。
注意したい点は、送料と違って、税関手数料や中国輸出通関手数料は荷物の重量やサイズに関係ない点です。
そのため中国から到着するダンボールの数が多ければ多いほど、この2つの手数料は高くなります。
個人輸入と偽って虚偽の申告をしないこと
個人輸入(=自分で使うことを目的として購入する)の場合は、商品代金+送料の60%が課税価格となります。
個人輸入目的の商品の関税=(商品代金+送料)×関税率×60%
しかし当然のことながら、営利目的で輸入しているのに、個人輸入と申告すれば「虚偽の申告」となります。
もし営利目的で輸入していても、税関で個人輸入と判断されることもあるらしいですが、その場合は訂正するようにしましょう。
あと、中国からの輸入の場合、メーカーから「書類に金額を低く記入しようか?」と聞かれることがあります。
先方としては、気を使って言ってくれているかもしれませんが、脱税になってしまいますので気を付けましょう。
不安な点はミプロやジェトロに相談
税関のHPなどに掲載されている実行関税率表についてはあくまで目安で、原産国や品目の材質、加工の有無について変わることはあります。
また、仕入れようとしている商品がどの品目に該当するのか、線引きが難しいようなこともあるでしょう。
さらに言えば、税関に関する費用だけでなく、輸入ビジネスは法律上の規制もあります。
中国からの輸入に関する不安な点については、ミプロやジェトロに直接問い合わせて相談してみると良いでしょう。
どちらも電話で相談できますし、とても丁寧に対応してくれます。
最後に
本日は、関税・消費税・税関手数料・中国輸出通関手数料など、中国輸入ビジネスで発生する税関に関する費用についてお伝えしました。
中国輸入では、送料や代行手数料だけでなく、関税や消費税についても注意しないと、利益が消えてしまうことがあるので注意しましょう。
また、中国輸入では関税や消費税の他、輸入禁止・規制についても注意が必要です。
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