こんにちは、amazon物販コンサルタントの中村裕紀です。
副業でせどり転売をやっている人は多いと思いますが、開業届は出していらっしゃいますか?
本日は、せどり転売をやるのに開業届を提出する必要はあるのかという点と、開業届を提出した時のメリット・デメリット、開業届の書き方と提出方法について解説します。
会社を辞めて独立したらもちろん、副業としてせどりとして取り組んで、収入を得てきたら税務の知識は必要です。せどりや転売で副業を始めた方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次
そもそも開業届とは何?副業でも開業届を出す必要があるの?

「開業届」と言われても、副業でせどりを始めたばかりの方であれば、あまりなじみのない言葉ですよね。
「開業届」とは、「個人事業主として開業しましたよ」ということを、税務署に届け出る書類のことを言います。
開業届は確定申告時に税金面で優遇を受けたいなら提出した方がいい
正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」
税務署に開業届を提出して一定の要件を満たすと、後述するように青色申告を受けることができるので、税金の優遇を受けることができます!
提出しなくても罰則はありませんが、せっかく稼いだお金の中から税金を払うわけですから、少しでも節税できた方がいいですよね?
給料以外の所得20万円以上を超えた場合は確定申告が必須
サラリーマンの場合は、会社が年末調整をしてくれるので、基本的には自ら税金を収める必要はありません。
所得税や住民税が毎年給料から自動的に天引きされているのは、そのためです。
しかし、給与以外の何らかの収入が、一定金額以上あった場合は、サラリーマンであっても確定申告が必要です。
今回は「せどり転売」についてお話していますので、「給与以外の何らかの収入」とは、副業でのせどり転売での収入となります。
この副業せどり転売の年間の所得(1月1日から12月31日まで)が、20万円以上となった場合に確定申告が必要です。
年間の所得とは、年間で得られた利益のことを指します。
例えば、せどり転売での年間売上が50万円あったとします。
仕入れ費用が20万円かかり、その他経費が5万円かかったとしたら、差し引き25万円の利益が出ていますよね。
この差し引き利益額が20万円以上となった場合に、確定申告の必要があるというわけです。
なお、副業ではなく、会社を辞めており給与所得がない場合、所得が48万円以下であれば確定申告は不要となります。
せどり転売で開業届を出すと事業所得になるの?節税効果が大きい事業所得とは?

せどり転売をやっていて利益が出た場合、その利益は「事業所得」か「雑所得」かに分かれます。
この2つを比較した場合、「事業所得」の方が節税効果は高いので、「事業所得」として確定申告したいところです。
しかし、すべてのケースにおいて「開業届を提出=事業所得」 となるわけではありません。
事業所得として申告するには条件があり、その条件とは次のように示されています。
事業所得とは?
国税庁のホームページによると、事業所得について、次のように定義されています。
事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。
ただし、 不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は事業所得ではなく、原則として不動産所得や山林所得になります。
ここで言う事業とは、独立・継続・反復して行われているのかということです。
つまり、サラリーマンの副業であっても、独立・継続・反復してせどり転売をやっているのであれば、せどり転売で得た利益を事業所得とすることができます。
せどりや転売が事業所得として認められるためには?
時間と労力と費用をかけてきちんと利益を追求していて、かつ一時的ではなく、長期的、継続的に行われているものであれば、それは事業所得と言えるでしょう。
しかしながら、「○○だったら事業所得になる!」という明確な基準はありません。
そのため誰がみても「それは事業所得になるよね」と納得させられる根拠となる以下のような資料を揃えておく必要があります。
- せどり(転売)に費やした時間を記録しておく
- 仕入れや経費に使った請求書や領収書を月ごとにまとめておく
- 帳簿を作成して売上や利益などを管理しておく
上記の資料は、事業所得かどうかといった判断にも必要な資料です。
しかし、どれだけ利益が出たのか、あるいは赤字になってしまったのか、ということは事業をやる上でとても重要な資料となります。
そのため、必ず資料は作成して、売上や在庫の管理をしっかり行うようにしましょう。
開業届を出すメリット・デメリットは何?

せどり転売をはじめとする物販を行う上で、開業届を提出するメリット・デメリットを解説します。
【メリット①】青色申告が可能になる
開業届を提出することによって、白色申告よりも節税効果がある青色申告が可能になります。
後述するように、青色申告を行うためには開業届と併せて、「青色申告承認申請書」の提出も必要ですので、忘れずに提出しましょう。
青色申告の場合は、特別控除額が10万円、55万円、65万円の3パターンがあります。
帳簿の付け方が少しだけ複雑ですが、貸借対照表を作成することで事業所得から55万円(e-Taxを利用すれば65万円)を控除することができるようになります。
賃借対照表を作成することで、10万円⇒55万円(65万円)と特別控除額が大幅に増えます。
手間には大差がなく、大きな節税効果が得られますので、とてもお得です。
【メリット②】屋号で銀行口座を開設するができる
プライベートで使っている個人の銀行口座をせどり(転売)用の口座として使用してしまうと、どうしても公私混同してしまいます。
なので、ビジネス専用の口座を持ちたいですよね。
事業資金を適切に管理したいものです。
開業届があれば、屋号で銀行口座を開設することもできます。
屋号がついた口座名を持つと取引先からの信用が増すだけでなく、自分の気持ちもなんだか引き締まりますよね。
なので、ぜひ開業届を提出して屋号名のついた銀行口座を作成しましょう。
【メリット③】赤字を繰り越すことができる
開業届を提出すると、赤字を3年繰り越すことができます。
例えば、「今年は200万円利益が出たんだけど、昨年は起業したばかりだったから、50万円の赤字だったんだよね。」といった場合、昨年の赤字分を繰り越して利益計算することができるので、差し引き150万円の利益で申告が可能になるのです。
開業届を出していれば万が一、赤字になったとしても、税負担の軽減になるので、これも大きなメリットですね。
【デメリット①】失業保険が受けられなくなる
開業届を提出した時点で個人事業主となるわけなので、副収入を得ている状態であれば失業状態にはないことになります。
失業保険は失業者に対する保険ですので、個人事業主は支給の対象外となってしまいます。
しかし、開業届を出していても、実質的に収入がない場合は失業保険がもらえます。
- せどりや転売に取り組んだが、会社を退職した時点で所得がゼロ
- せどりや転売に取り組んだが、途中で挫折したところで会社を退職した
ただし、ケースによっては再就職手当というものが支給可能な場合もあるので、最寄りのハローワークで確認すると良いでしょう。
【デメリット②】社会保険の扶養から外れてしまう可能性がある
年収が130万円未満の場合、基本的には社会保険の扶養に入ることができます(よく言われる年収130万円の壁です)。
しかし、年収が130万円未満であっても開業届を提出すると扶養から外れることがあります。
これは、会社の健康保険が「開業者は扶養者とは見なさない」と規定している場合があるからです。
このような規定がある場合は、保険料が自己負担となり、国民健康保険、国民年金に加入しないといけないので注意が必要です。
【結論】せどり転売で大きく稼ぐなら開業届は出した方がいい
上記のようにせどり転売の開業届についてはメリット・デメリットがあります。
しかし、これからせどり転売で大きく稼ごうと考えているのであれば、節税上のメリットを考えれば、事業を始めた時点で開業届を提出することをオススメします。
もちろん、これはせどりや転売などの物販に限らずあらゆる職業、事業内容で言えることです。
開業届を提出して、堂々とビジネスをやっていきましょう。

開業届の書き方は?

ここでは、副業でせどり転売をやろうとしている人が、自宅で開業する場合の記入例を示します。
新規で自宅で開業し、1人でせどり転売に取り組むのであれば、以下の赤枠のところの記載だけで大丈夫です。
届出用紙はこちらの国税庁のサイトにあります。
インターネット上で提出用紙へ直接入力ができますので、記入例を参考に記載して提出しましょう。

上記の記入箇所からわかるように、開業届の主な記載事項は以下の通りです。
- 自宅住所
- 自宅を管轄する税務署名
- 氏名、生年月日
- マイナンバーの番号
- 職業
- 屋号
- 開業日
- 事業を行う住所(自宅の場合は自宅住所を記入)
- 事業の内容を具体的に記載
迷いやすいところを以下に解説しますが、不明点は税務署で問い合わせても丁寧に教えてくれます。
せどり転売なら職業欄は「小売販売業」「小売店主・店長」など
「職業」の欄ですが、せどり転売の場合は「小売販売業」とか「小売店主・店長」になります。
または「自営業」、「代表」でも良いでしょう。
屋号は自分で考えたものを記入
「屋号」とはお店の名前のことです。
自分のお店に、好きな名前をつけることができます。
かっこいい名前をつけたいですね。じっくり考えましょう。
開業日はせどり転売を始めた日もしくは始めると決めた日でOK
「開業日」は、いつの日付で書くのか迷うかと思いますが、以下のいずれかで問題ありません。
- せどり転売を始めた日
- せどり転売で継続的にせどり転売を事業としてやっていこうと決めた日
開業して1ヶ月以内に届出をしなければならない原則がありますが、開業日はある程度柔軟に決めることができるので、過ぎてしまっても特に問題はありません。
どうしても日付に迷う方は、開業届を提出する日を記載しても大丈夫です(せどりや転売を始めたタイミングが曖昧な場合など)。
青色申告承認申請書は、開業届と同時に出そう
上記の記載項目で、「青色申告承認申請書」の欄は、青色申告をする際に「有」にチェックを入れます。
この「青色申告承認申請書」を同時に申請する場合は、開業日より2ヶ月以内に提出しなければならず、それを超えてしまうと、その年は青色申告ができなくなります。
なので、開業年度から節税したいなと思った場合は、開業届と同時に青色申告申請書を、遅くとも開業日より2ヶ月以内に提出しましょう。
税務署に相談すれば開業届も青色申告承認申請書も一緒に用意してもらえますから、同時に手続きを済ますことができます。
もし、青色申告をしない場合は「無」にチェックを入れてください。
開業時は消費税課税事業者には「無」をチェック
消費税に関する「課税事業者選択届出書」は、「無」にチェックを入れます。
これは初年度から消費税課税対象となる事業者のことですから、副業でせどり転売をやっている人が「有」になることはまずないので、気にしなくて大丈夫です(売上1000万円以上になると課税事業者となります)。
「事業の概要」は悩まず、簡潔に記載する
「事業の概要」は、せどり転売の具体的な事業内容を書いてください。
例えば「インターネットを使った、一般消費者向けの販売」などで良いでしょう。
悩まず、簡潔に記載しましょう。
「給与等の支払い状況」は従業員がいなければ未記入でOK
「給与等の支払い状況」の欄は、従業員などがいる場合に記載する必要がある欄です。
ここも副業でせどり転売をやっていてこれから開業届を出す段階であれば、まだ従業員も雇っていないので記載する必要はありません。
空欄で大丈夫です。
その他、氏名や生年月日、個人番号(マイナンバー)などを記載すれば完成です。
詳しくは、国税庁のホームページに示してありますので、一度目を通しておくと良いでしょう。
開業届は郵送での提出も大丈夫?正しい提出方法は?

開業届の提出方法には、以下の3つがあります。
- 税務署へ直接持参
- 税務署へ郵送
- 税務署の時間外収受箱に投函
私のオススメは税務署への直接持参です。
わからないことがあっても直接、その場で訪ねることができますし、また、受領印を押された控えを受け取った時は「よし頑張るぞ!」という気持ちにもなれます。
税務署へ直接持参する場合は、印鑑、マイナンバーがわかるもの、身分証明書を併せて持参しましょう。
時間がない方や、コロナなどが気になる方は、税務署へ郵送することも可能です。
開業届に加えて、マイナンバーがわかる書類と身分証の写し、控えの返信用切手を同封して、税務署へ郵送します。
税務署の時間外収受箱に投函という方法もあります。
投函の際の書類は郵送の場合と同じです。

最後に
本日は、開業届のメリットデメリット、そして、書き方をお話しました。
副業でせどり転売で利益が出たら、開業届は出した方が良いということがわかっていただけたかと思います。
「副業せどり転売」をテーマにしておりますが、あらゆる職種、事業内容に対して開業届が必要だと考えてください。
なので、もちろん副業のメーカー仕入れで利益が出た場合も、同様に開業届を提出した方がメリットが多くなります。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
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