Amazonは、他のプラットフォームに比べると、アカウント作成時の費用や販売時の手数料がいろいろあり、少しわかりにくいかもしれません。
Amazonや楽天など、プラットフォームにかかる費用は、概ね次のことを考えておく必要があります。
Amazonの場合 | ||
出店料 | アカウント作成時にかかる初期費用 | 0円 |
月額登録料 | 出店後月額でかかる費用(月額利用料) | 月額4,900円(税別:大口出品の場合) |
販売手数料 | 商品を販売する都度かかる手数料 | 8~15% |
その他手数料 | 商品保管、梱包・配送代行などに関わる手数料 | 商品や条件による |
このうち、商品の販売数に関わらず発生するのが、初期費用となる出店料と月額登録料という、出店に伴う費用です。
商品を販売するごとに発生する販売手数料等とは別に考えておく必要があります。
また、プラットォフォームを選ぶ際は、費用対効果も考えておく必要があります。
いくら費用が安くても、使い勝手が悪ければ売上に大きく影響します。
そこで、今回はAmazonの出店料や月額費用、他社との比較、費用対効果について解説します。
- 物販のプラットフォーム選びに迷っている
- Amazonと他のプラットフォームで費用面や費用対効果を比較したい
- Amazonの料金体系について理解したい
という方は、最後までご覧ください。
目次
Amazonは出店料(初期費用)がかからない
まず、Amazonは出店料(初期費用)がかかりません。
プラットフォーム | 出店料(初期費用) |
Amazon | 無料 |
楽天市場 | 60,000円(税別) |
Yahoo!ショッピング | 無料 |
ヤフオク | 無料 |
メルカリ | 無料 |
国内の市場規模がAmazonと同等程度である楽天は、出店料(初期費用)が60,000円かかってしまいます。
Amazonアカウント作成のハードルは、楽天に比べてかなり低いと考えていいでしょう。
ただし、Amazonは後述するようにアカウント作成後は月額登録料、商品を販売する都度販売手数料、諸々の手数料が発生します。
Amazonの月額登録料|出店中に毎月かかる費用
次に、Amazonの月額登録料についてです。
月額登録料とは、商品の販売に関わらず発生するプラットフォームの月々の利用料のことを指します。
Amazonでは楽天のように初期費用がかからないため、月額登録料をのことを「出店料」と呼んでいる方も多いです。
プラットフォーム | 月額登録料 |
Amazon |
|
楽天市場 |
|
Yahoo!ショッピング | 無料 |
ヤフオク | 無料 |
メルカリ | 無料 |
Amazonは、Yahoo!ショッピング、ヤフオク、メルカリと違い、月額登録料はかかりますが、楽天に比べれば非常に安価です。
上表のように、Amazonのアカウント登録時には、大口出品と小口出品のいずれかを選ぶことになります。
本格的にAmazon物販に取り組むのであれば、大口出品一択です。
大口⇒小口、小口⇒大口の切替はいつでも可能ですが、基本は大口出品と考えてください。
Amazon物販で稼いでいる人は、100%大口出品です。
大口出品|月額4,900円(税別)
大口出品は、何品出品しようが月額4,900円(税別)のプランです。
小口出品が1品出品する都度100円(税別)かかるので、月に50品以上出品すればお得なプランになっています。
本格的にAmazon物販に取り組むなら、ほぼ確実に月50品は出品するので、大半の方は大口出品の方がお得になるでしょう。
また、大口出品と小口出品では機能面で大きな違いがあり、次のように大口出品の方がメリットは大きくなります。
カートボックスの獲得 | Amazonの「カートを入れる」「今すぐ買う」ボタンから商品を購入してもらえる |
一括出品登録 | 出品登録を一括で登録できるので、出品作業を効率的に行える |
データの分析レポート | 各商品の販売数、売上額、購買率など詳細なレポートを読み取れる |
新規カタログ登録 | 新規商品ページを作成してOEMなど自社商品を販売できる |
スポンサープロダクト広告 | 商品ページが、Amazonの検索画面に上位表示される |
新規カタログ登録とスポンサープロダクト広告については、OEM商品、独占販売商品を販売する際には必須です。
しかし、せどりやメーカー仕入れのように、既存商品を相乗り出品するのであれば、必要性がない機能です。
せどりやメーカー仕入れで、必須の機能は「カートボックスの獲得機能」です。
Amazonのお客様の大半は、上図の「カートに入れる」「今すぐ買う」ボタンを押して商品を購入しますが、これがカートボックスです。
「カートボックスを獲得する」とは、「カートに入れる」「今すぐ買う」ボタンであなたの出品した商品が売れるということです。
カートボックスを獲得するかどうかは、相乗り出品では売上に直結しますので、必須機能になります。
詳細は、以下の記事をご覧ください。
小口出品|1商品出品するごとに100円(税別)
小口商品は、1商品出品するごとに100円(税別)かかる従量課金制となっています。
月の出品数が50個未満であれば、小口出品の方が安価に済むようになっています。
そのため、Amazon物販初心者で、少量の販売から始めたい場合は小口出品から始めてみるのもいいでしょう。
小口出品⇒大口出品への切替はいつでもできます。
ただ、カートボックスの獲得など機能面では大口出品に大きく劣るので、物販の感覚をつかんだらすぐに大口出品に切り替えた方がいいでしょう。
本格的にAmazon物販で稼ぐなら大口出品一択
以上のことから、本格的にAmazon物販で稼ぐのであれば、大口出品一択です。
- 月に50点以上出品するなら大口出品の方が安く済む
- 相乗り出品でカートボックス獲得機能は必須
- OEMや独占販売商品では新規カタログ登録やスポンサープロダクト広告は必須
また、次のように商品代の支払い方法では、大口出品の方が様々な支払い方法を選択できるようになっています。
大口出品 | 小口出品 | |
クレジットカード | ○ | ○ |
スマホ決済 | ○ | ○ |
Amazonギフト券 | ○ | ○ |
コンビニ決済 | ○ | × |
代金引換 | ○ | × |
様々な決済手段があった方が、顧客の購入率は上がるので、その点でも大口出品の方が有利と言えるでしょう。
小口出品から始めることができるとはいえ、個人的には最初から大口出品にしてしまった方がいいと考えています。
なお、大口出品を選択してAmazonの出品者用アカウントを作成する方法は、以下の記事をご覧ください。
Amazonで発生するその他の手数料
Amazonでは、上記の出店に伴う月額費用料以外に、商品を販売したり、在庫に保管したりすることで次の手数料がかかります。
【商品を販売する際にかかる手数料】
販売手数料 | 商品を販売する都度かかる手数料。手数料は8~15%程度(商品カテゴリーによって違う)。FBAの利用有無に関わらず必ず発生する |
カテゴリー成約料 | 本、音楽、DVD、ビデオ販売など、メディア商品のみに関わる手数料(80~140円) |
【FBA倉庫の保管・商品発送時に発生する手数料】
FBA配送代行手数料 | FBA倉庫から商品を自動発送する際にかかる手数料 |
FBA在庫保管手数料 | FBA倉庫に商品を保管する際に発生する手数料 |
FBA在庫保管追加手数料 | FBA倉庫の在庫保管スペースの使用比率に応じて発生する手数料 |
FBA長期在庫追加手数料 | FBA倉庫に9ヶ月以上保管している商品に発生する手数料 |
低在庫レベル手数料 | 商品の需要に対して在庫が少ない小型・標準サイズの商品に対して発生する手数料 |
【その他FBA利用に関する手数料】
返送・所有権放棄手数料 | FBA倉庫の商品を自宅等に返送する際に発生する手数料 |
納品不備受領作業手数料 | FBA納品時に不備があって自宅等に返送する際に発生する手数料 |
商品ラベル貼付サービス | 商品ラベルの貼付けをFBAに代行する際に発生する手数料 |
FBA梱包サービス | FBA納品時の梱包をFBAに代行する際に発生する手数料 |
Amazon物販で必ず発生する手数料が販売手数料で、それ以外はFBA利用時に関わる費用と覚えておくといいでしょう。
販売手数料とFBA手数料を加味した場合、Amazon物販のトータルの手数料の目安は20~25%程度です。
高いと感じるかもしれませんが、その分送料を抑えることができるので、結果的に他のプラットフォームより安くなることがあります。
上記の手数料についての詳細は、以下の記事をご覧ください。
※FBAとは何? という方は、以下の記事をご覧ください。本格的にAmazon物販を始めるならFBA利用は必須です。
なお、各種Amazonの手数料については、頻繁に改定されるので、最新情報を確認するようにしましょう。
と感じた方も多いでしょう。
しかし、Amazonの場合、「FBA料金シミュレーター」や「クイックショップ」という無料ツールを使えば簡単に利益計算できるのでご安心ください。
FBA料金シミュレーターの使い方については、以下の記事をご覧ください。
Amazonの出店に関わる費用や手数料を他のプラットフォームと比較
物販ビジネスでよく利用されるAmazon、楽天、Yahoo!ショッピング、ヤフオク、メルカリで出店時の費用(初期費用、月額登録料)、手数料で比較してみます。
手数料については、送料に近い性質も持ち、場合によって発生するFBA手数料ではなく、システム利用に伴う販売手数料で比較します。
Amazonだけでなく、楽天やメルカリなどでも他の細かい手数料や送料の違いがあるためです。
また、費用対効果で見てどちらがいいかもお伝えするので、プラットフォーム選びの参考にしてください。
Amazon vs 楽天市場
Amazon | 楽天市場 | |
初期費用(出店料) | 無料 | 60,000円 |
月額登録料 | 大口出品:4,900円(税別) |
|
販売手数料 | 8~15% |
|
Amazonと楽天を比べると、出店料(初期費用)と月額登録料の点で、圧倒的にAmazonに軍配が上がります。
手数料については、出店に関わる費用が高い楽天の方が安価ですが、月額登録料の負担が大きすぎます。
また、楽天は法人でないと出店できないなど、出店審査が厳しい傾向があります。
楽天は、ポイントせどりなど仕入れ先として使われることはありますが、プラットフォームとしては物販初心者におすすめしません。
OEM商品や独占販売商品を扱い始めて、しかも軌道に乗ってきたら、ようやく検討してもいいでしょう。
Amazon vs Yahoo!ショッピング
Amazon | Yahoo!ショッピング | |
初期費用(出店料) | 無料 | 無料 |
月額登録料 | 大口出品:4,900円(税別) | 無料 |
販売手数料 | 8~15% | 2.5~16.5%(必須分は2.5%で、それ以降は任意設定) |
出店料や月額利用料、手数料ともに、Yahoo!ショッピングの方がAmazonより軍配が上がります。
ただし、集客力ではAmazonの方が圧倒します。
おおよその目安ですが、Yahoo!ショッピングの売上は、Amazonの1割程度の規模と言われています。
実店舗で例えれば、Amazonの方が10倍お客様が集まっているショッピングモールと言えます。
どちらが商品を売りやすいかは明白でしょう。
プラットフォームを選ぶ際は、出店料や月額登録料、手数料だけでなく、費用対効果を十分考えるようにしましょう。
Amazon vs ヤフオク
Amazon | ヤフオク | |
初期費用(出店料) | 無料 | 無料 |
月額登録料 | 大口出品:4,900円(税別) | 無料 |
販売手数料 | 8~15% | 10% |
Amazonとヤフオクを比較すると、月額登録料が無料であるヤフオクの方が若干軍配が上がるでしょう。
しかし、商品ジャンルにもよりますが、物販の効率を考えた場合、メインの販路はAmazonとすることがおすすめです。
Amazon | ヤフオク | |
商品ページ作成 |
|
1点ごとに必要 |
発送代行 | ○(可) | ×(不可) |
カスタマー対応の代行 | ○(可) | ×(不可) |
売れ行きの予測 | ○(ツールで可能) | ×(難しい) |
問い合わせ方法 | 電話、チャット、メール | チャット、メールのみ |
Amazonの場合、FBAを利用すれば、商品保管、発送業務、カスタマー対応をすべて代行してくれますが、ヤフオクにはありません。
レアな希少品などはヤフオクの方が相性がいいでしょうが、そうでなければ、基本的にAmazonを活用した方がいいでしょう。
ヤフオクせどりについて興味のある方は、以下の記事もご覧ください。
Amazon vs メルカリ
Amazon | メルカリ | |
初期費用(出店料) | 無料 | 無料 |
月額登録料 | 大口出品:4,900円(税別) | 無料 |
販売手数料 | 8~15% | 10% |
Amazonとヤフオクを比較すると、月額登録料が無料であるメルカリの方が若干軍配が上がるでしょう。
しかし、ヤフオクと同様、メルカリは商品ページ作成、梱包・発送、カスタマー対応すべて自分でこなさないといけません。
Amazon | メルカリ | |
商品ページ作成 |
|
1点ごとに必要 |
発送代行 | ○(可) | ×(不可) |
カスタマー対応の代行 | ○(可) | ×(不可) |
売れ行きの予測 | ○(ツールで可能) | ×(難しい) |
問い合わせ方法 | 電話、チャット、メール | メールのみ |
このため、基本的にはAmazonをメインのプラットフォームにすることをおすすめします。
しかし、アパレルやベビー・キッズ用品、ハンドメイド用材料など、商品ジャンルによってはメルカリの方が相性がいいです。
また、Amazonで出品規制があり、解除できない場合もメルカリかヤフオクで販売する必要があります。
Amazonとメルカリの比較については、以下の記事も参考にしてください。
費用対効果を考えたらAmazonが一番おすすめ
価格と費用対効果を比較検討すると、Amazonが一番おすすめです。
- 送料と手数料を合わせて考えると、結果的にAmazonの方が一番安くなることがある
- 集客力が国内最大級である
- 既存商品の販売なら商品ページ不要
- 倉庫保管、商品発送、カスタマー対応を代行してもらえる
- ツールを使えば売れ行きを予測できる
- ツールを使えば利益計算が簡単にできる
- 入金サイクルが短い
特にせどりや転売ではなく、直接メーカーから商品を仕入れるメーカー仕入れやOEM販売に取り組むならAmazon一択です。
Amazon物販の概要を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
最後に
Amazonの出店料や月額登録料、販売手数料についてお伝えしました。
物販に興味があるが、どのプラットフォームにしようか迷う場合、出店料や手数料、費用対効果で考えて整理すると判断しやすいです。
特に物販初心者で、これからビジネスを大きく育てていきたいという方は、Amazonが一番おすすめです。
メルカリやヤフオクは、Amazonで商品が売れなかった場合や、出品規制がかかった場合の代わりの販路と考えるといいでしょう。
また、OEM商品や独占販売商品を扱うようになって、さらに軌道に乗ってきたら楽天やYahoo!ショッピングの利用を検討しましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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