こんにちは、amazon物販コンサルタントの中村裕紀です。
せどり(転売)をやっていると計算上は利益が出ているのに実際には手元にお金が残らないことがあります。
いわゆる「勘定合ってゼニ足らず」の状態なのですが、いったいお金はどこへ行ってしまったのでしょうか?
本日は、資金と売り上げと利益の関係を解説して行きます。

目次
立ち上げ直後に起こる現象。儲かったお金はどこに行った?

せどり(転売)において、少量のテスト販売をして徐々に仕入れ量を増やしていく判断をした場合、仕入れに必要な資金はどのように変化して行くのでしょうか?
下記の例を参考に、時系列で詳しく見てみましょう。
商品Aを3個仕入れたところ、これも1個あたり1万1千円ですぐに売れた。
商品Aを10個仕入れたところ、1個あたり1万1千円で9月中に完売。
この例で、商品Aを仕入れるために毎月いくらのせどり(転売)資金が必要かまとめてみましょう。
7月に1万円(1万円×1個)。
8月に3万円(1万円×3個)。
9月に10万円(1万円×10個)。
それぞれの月で、以上の資金が必要ですよね。
7月の時点では手元に仕入れ資金が1万円あったわけですが、「売れる!」と判断し安定した仕入れもできることになったので、この商品は、10月以降、毎月10個ずつ仕入れ、その月に完売して行きました。
それでは、ここで問題です。
追加での仕入れ資金を投入せず、利益も仕入れ資金に回す必要がなくなるのはいつでしょうか?
1万円で仕入れて1万1千円で販売するので、1個売った時の利益は1千円ですよね。
(販売価格1万1千円―仕入れ価格1万円=利益1千円)
1個あたり1千円の利益ですので、9月末の時点で合計1万4千円(1千円×14個)の利益が出ます。
でも、利益が出ていても自由に使えなければ意味がありません。
これを考えるには、細かい資金の流れを一つ一つ追っていくことが必要になります。
1、7月にはせどり(転売)仕入れの資金として事業口座にあった1万円全て使った
つまり自己資金を1万円使って仕入れたということですね。
2、7月中に売れ、その月にせどり(転売)の売上代金が入金された
利益は1千円(売上1万1千円―仕入1万円)です。
口座の資金を全て使って仕入れたので、口座の残金はゼロでした。
しかし、今回のこの入金によって7月末日の残高は1万1千円になりました。
3、8月には3個仕入れたので、3万円資金が必要だった
1万円×3個=3万円の仕入れ資金が必要です。
口座には1万1千円しかありませんので、別の口座にあった1万9千円の自己資金を足して3万円を用意しました。
この時点で利益は1千円出ています。
しかし、この利益が仕入れ資金に回っているのがご理解いただけていますでしょうか?
4、商品3個全て8月中に売れて、8月中にせどり(転売)売上代金が入金された
月末日の口座残高は、3万3千円(1万円1千円×3個)となります。
8月の利益は3千円で、通算の利益は4千円です。
5、9月に10個仕入れた
今回は10個の仕入れなので、1万円×10個=10万円の資金が必要です。
8月末日の残高が3万3千円しかありませんので、他の口座から追加する自己資金は6万7千円ですね。
仕入れた後の事業口座の残高はゼロです。
6、9月に1万1千円で10個売れた
9月中にせどり(転売)売上代金の入金があり、9月末日の残高は11万円(1万1千円×10個)になります。
9月の利益は、1万円(1千円×10個)。
今まで14個販売しましたので、通算の利益は、1千円×14個=1万4千円です。
しかし、毎月の口座残高が仕入れ資金よりも少ないため、毎月自己資金を追加している状況です。
常に利益は仕入れ資金になっています。

利益はいつから自由にできる?計算上の儲けとキャッシュフローの違い

かなりややこしいので、再度まとめて説明しますね。
7月に必要な仕入資金:1万円
7月に全額使った自己資金額:1万円
7月の利益:1千円
7月末に口座にあるお金:1万1千円
8月に必要な仕入資金:3万円
8月に追加した自己資金額:1万9千円
8月の利益:3千円
通算の利益:4千円
8月末に口座にあるお金:3万3千円
9月に必要な仕入資金:10万円
9月に追加した自己資金額:6万7千円
9月の利益:1万円
通算の利益:1万4千円
9月末に口座にあるお金:11万円
9万6千円
(7月1万円+8月1万9千円+9月6万7千円)
これをみるとわかるように自己資金が少ないと仕入れを増やしている間は、利益が出ても次の仕入れ資金として使う必要があります。
なので、手元にお金が残らないのです。
でも、自己資金も追加しないと大幅な利益アップも狙えませんよね。
この例では、3ヶ月をかけて自己資金9万6千円&それまでに発生した利益を使って仕入れました。
毎月全て販売しきった結果、9月末の口座残高には、1万4千円の利益が含まれることになりました。
ただ、事業としては継続して利益を出す必要があります。
10月以降、毎月10個仕入れて行くことが決定しています。
仕入れ資金として毎月10万円ずつ使って仕入れ、毎月10個完売した場合は以下のようになります。
1、10月に1万円の商品Aを10個仕入れた
10月に必要な仕入額は、1万円×10個=10万円。
9月末の残高は11万円なので仕入れに回さない利益は、1万円。
1万円、口座に残りました!
2、10月に1個1万1千円で、10個全て売れた
10月中にせどり(転売)売上代金11万円の入金がありました。
10月の利益は、1千円×10個=1万円。
今、口座には12万円ありますが、そのうち利益は2万円です。
3、11月に1万円×10個仕入れた
11月に必要な仕入額は、10万円。
10月末の残高は12万円なので、仕入れに回さない額は、2万円。
10個仕入れたのに2万円、口座に残りました!
このようにせどり(転売)の売上が安定して行くと利益を仕入れ資金に回す必要がなく、利益が手元に残るようになります。
つまり、仕入れ、売上共に均衡の状態で安定していない、すなわち仕入れを増やしていっている状態では、手元に資金が残らず、利益を自由に使えないのがわかっていただけましたでしょうか。
急激な仕入れのストップは、ときに資金がショートする?仕入れを止めるな!

今までお話した例は、
・仕入れ資金を使った月にせどり(転売)で全て販売ができた
・仕入れと同じ月に売上金が入金
という、わかりやすいものでした。
しかし実際の取引では、
・せどり(転売)の売上金が月をまたいで入金される
・なかなか売れず予定していた期日までに販売できない
ということもあります。
そうなると価格を下げて販売することになり、結果として見込んでいた利益が目減りしたり、最悪は仕入れ商品を全部販売しても赤字になったりという状態もあるでしょう。
また、せどり(転売)はインターネット上での販売となりますので、商品の販売時にその場で現金と交換して販売するケースは稀です。
一般的には販売したタイミングと実際に入金されるタイミングは、数日から数週間ほどずれるケースがほとんどです。
その他にもせどり(転売)売上代金の支払い金額に対して、その一部を留保されることがあります。
例えば、amazonでは引当金と呼ばれておりますが、そのことも考慮しなければなりません。
一方、実際の仕入れ代金の支払いは
・現金先払い
・買掛での取引
・クレジットカード
など複数の方法があります。
そうなると、仕入れたタイミングと支払いのタイミングが違ってきますよね。
「仕入れて売る」という、単純な商取引をしているわけなのですが、実際のお金の流れは複雑に入り組んできます。
だからこそ、キャッシュフロー(お金の流れをつかむこと)が大事になります。
そして、仕入れ量、売上額の両方がバランスよく均衡な状態になるまで資金は手元に残らないことを認識しておかないと、資金が足りない=資金ショートということになってしまうのです。
このキャッシュフロー(お金の流れ)をきちんと確認しておくことは、せどり(転売)に限らず事業を行う上でとても重要なことなので、しっかり認識しておきましょう。

最後に
本日は、せどり(転売)で売り上げる時のお金の流れをご説明してみました^^
せどり(転売)において、資金はとても重要です。
しかし、しっかりと資金の流れを掴めば、怖くはありません。
当初は利益が出ていても、仕入れ資金の方に発生した利益が回っているために、このような状態が起こるのですが、この過程を超えて、はじめて手元に利益が残った時はやはり感動ものです。
しっかりと資金の流れを把握することで、今手元にいくらあるのか、利益はいくら出ているのかがはっきりと見えてきます。
輸入の事例になりますが「amazon輸入ビジネスを始めるための資金はいくら必要か?」もぜひ参考にしてみてくださいね。
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1個1万円の商品Aを1個だけ仕入れたところ、1万1千円ですぐに売れた。